ドラマのキャスティングとデータ活用:SNS等での口コミ拡散につながる“信者ファン”がついた俳優を発見する【放送局編】
公開日: 2025/01/17
GEM Standardではエンタメブランドの価値基準を提供するデータサービス「TIGER」を提供しています。今回、エンタメブランドデータの活用方法を具体的にイメージいただくため、みなさまが抱える課題を「TIGER」で解決し、アクションへとつなげる想定事例を事業者様別にピックアップしました。
ケース
ドラマ好き世代の推しファンが多く存在し、SNS等での口コミ拡散が期待できる俳優を新作ドラマに起用したい。
ユーザー
企業:放送局
担当者:企画制作部ドラマプロデューサー K氏
職責:担当するドラマ作品の制作(企画・脚本・キャスティング・制作進行など)、および視聴最大化に向けたプロモーション支援
経緯と課題
主に四半期毎に新たに制作、放送されるTVドラマ群ですが、その成功に向けた大きな要素の一つが「キャスティング」です。また、現在は“見逃し配信”なども含めて視聴形態が多岐にわたっていますが、放送局のビジネス視点としては、広告セールスに直結する放送時間帯の視聴率をより高く維持したいという狙いがあります。その点においても、推しているファン=推しファンが多く存在し、SNS等での口コミ拡散など、共視聴体験が促進される熱量の高い推しファンに支持されている俳優をうまくドラマに起用することがK氏のテーマとなってきています。
活用方法
検証ツール:TIGER「推しエンタメブランドスコープ」の [深掘りする:比較分析]機能
検証方法:主役級女性俳優4名(A、B、C、D)の直近1年の指標を比較検証し、キャスティング優先度を検討
【発見】上記は各エンタメブランド(=俳優)の推しファンが回答した「そのエンタメブランドで好きなメディア」別の月当り平均推しファン人数です。俳優のC、Dが「全メディア横断」では5万人以上、ドラマとの親和性を鑑みて「国内ドラマ」をみても2万人以上と、相対的に大きく支持されていることが分かります。
※クリックして拡大【発見】上記は4人の推しファンの性年代別構成比、ファンスケール構成比です。性年代別構成比をみると、推しファンの男女比、年齢構成に大きな差があることが分かります。また、推しファンの熱量を測れるファンスケールのTOP2(「人生の一部/信者」+「大ファン」)をみると、俳優AとDが相対的に高いことが明らかになりました。
※クリックして拡大【発見】 ここで、検証①で確認したメディア別の推しファン人数比較において、国内ドラマを好む女性15~49歳に絞り再集計を行いました。すると、俳優A、Cが対象世代の推しファン人数が多く、また国内ドラマへの結びつきも強いことが明らかになりました。
※クリックして拡大【発見】検証③で拮抗する俳優AとCを深掘りすべく、検証③同様に女性15~49歳に絞ってファンスケール構成比を検証すると、TOP2(「人生の一部/信者」+「大ファン」)でAがCを上回っていることが分かりました。
アクション
当初、俳優Aは相対的に評価が高くありませんでした。しかし、「推しファン人数」をメディア別に深掘りして確認し、さらにターゲットを絞り込みながら再集計をしていくなかで、SNS等で最もドラマの口コミ効果が期待できるのは、俳優Aだと判断できました。この結果から、社内編成部など各所へデータに基づき説明をしながら、キャスティングに向けた会話を進めていくことにしました。
また、実際のキャスティングとドラマ接触の関係についても、「推しエンタメブランドスコープ」や映像コンテンツへのリーチを放送、配信、録画、物理メディアを横断して計測できる「エンタメリーチトラッカー」用いながら分析を進めていくことになりました。これは自局だけでなく他局のドラマ番組も含めてベンチマーク化を行い、PDCAを回していくことで、ヒットの確率を上げていく全社的な取組みとなっています。
「TIGER」では、現在、推されているエンタメブランドとそのファンを理解し、次のヒットを見いだす「推しエンタメブランドスコープ」と、エンタテイメントの真のリーチをメディア・サービス横断で把握するデータサービス「エンタメリーチトラッカー」の2サービスを展開中。各サービス詳細は以下をご参照ください。
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