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第2回:映画『バービー』ほか、ファン主導マーケティングの成功事例~特集:クリエイター(インフルエンサー)時代のファン第一主義
公開日: 2024/05/08

特集:クリエイター(インフルエンサー)時代のファン第一主義 第2回

米ロサンゼルスで行われた「Variety Entertainment & Technology Summit 2023」にて2023年9月21日、米エンタテイメント企業やコンテンツ制作プラットフォームのマーケティング担当者が、ファンやインフルエンサーとのコラボレーションによるマーケティング展開について語ったパネルディスカッション「Fan-First Marketing in our Creator Era」が開催されました。本特集では“オーセンティシティ”(真実性や信ぴょう性のこと)をキーワードにパネルの模様をレポートします。

第2回は、ファンやインフルエンサー主導のマーケティングについて、各社が成功事例を共有しました。

※本記事で触れられている内容は2023年9月時点の情報です

モデレーター
ハイディ・チャン(Heidi Chung)
Variety Intelligence Platform:メディア担当記者

パネリスト
エミリー・ キング(Emily King)
FOXエンタテイメント(FOX Entertainment):マーケティング&デジタル部門EVP

エレン・ストーン(Ellen Stone)
NBCユニバーサル(NBC Universal):消費者エンゲージメント&ブランド戦略部門EVP

アンジェラ・コーティン(Angela Courtin)
YouTube:ブランド・マーケティング部門VP/グローバル統括者

エラナ・サルザー(Elana Sulzer)
Snap:エンタテイメント統括者

トム・ヘンリー(Tom Henry)
Spotify:クライアント・パートナーシップ、エンタテイメント/ゲーム/スポーツ部門ディレクター

ジミー・ノウルズ(Jimmy Knowles)
Canva:エクスペリエンシャル・マーケティング部門グローバル統括者
《目次》

 

 

デザイン・プラットフォームのCanvaが人気

プロのデザイナーや宣伝会社でなくても、ファン個人がブランドへの想いをクリエイティブに表現できるツールとして人気急上昇中なのが、プレゼンテーション資料や招待状などのテンプレートを展開するオンライン・グラフィックデザイン・プラットフォーム「Canva」。同社のジミー・ノウルズ氏が、同プラットフォームの成長から感じるファン動向について語りました。

「Canvaはファンダムに力を与えるツールです。ファンたちはエンタテイメント・ブランドとつながり、自分たちのファンダムをクリエイティブに表現することを熱望しており、積極的にCanvaのようなプラットフォームに来て、ソーシャルメディア・コンテンツやウォッチパーティの招待状などをデザインしています。また世界がよりビジュアル化しており、視覚的なものが人々のコミュニケーション手段になっていることを実感しています。今は何かにテキストで反応する代わりに、親指を立てて“いいね”したり、ハートマークをつけたりしますよね。このビジュアル化の流れはCanvaにとって素晴らしいことで、2024年にかけてもエンタテイメント分野を強化したいと思っています」。

 

Canvaと豪州サッカークラブ、Netflixの提携例

ノウルズ氏は、最近のCanvaとブランドの提携例として、オーストラリアのサッカークラブの事例をあげました。「Canvaは実は、オーストラリア発で最も成功したテック系スタートアップのひとつで、シドニーに本社があります。そこで、メルボルン・ビクトリー・フットボール・クラブと提携し、同クラブのユニフォームをファンがデザインする企画を展開しました。私たちがランディングページを開設、ファンたちが様々なデザインを使い、様々な要素を取り入れ、ファンとしての想いを表現。実際に、優勝者のデザインが翌年のアウェイ試合用ユニフォーム・デザインに採用されたのです」。

さらにNetflixとの提携例も共有したノウルズ氏。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』の記念日である「ストレンジャー・シングス・デー」(※11月6日)の時期に、Netflixと素晴らしい仕掛けを行いました。すでにファンは自分たちでコンテンツを作り、ファンダムを広げる方法を見つけていましたが、当初、Netflix自体はその一部ではありませんでした。そこでNetflixから私たちにアプローチがあり、ファンがソーシャルメディア上で友人をウォッチパーティなどに招待するための特注テンプレートを作成したのです」。

 

Snapによる『トランスフォーマー』『バービー』のAR仕掛け

Snapのエラナ・サルザー氏は、AR(拡張現実)を活用したコラボレーション例を共有。「Snapアプリではカメラが活用できるので、面白いAR仕掛けを展開しています。……(以下、会員限定記事にて掲載)

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