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現時点での夏興行の邦画・洋画別内訳
公開日: 2017/07/28

2017年7月28日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された「シネマの週末・チャートの裏側:「怪盗グルー」好スタート」の転載に、記事で触れた夏興行の集計チャートを加えています
(C)Universal Studios

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「怪盗グルー」好スタート

夏休み興行も盛り上がりを見せている。先週末観客動員1位「怪盗グルーのミニオン大脱走」は、シリーズ最高のスタートを切った。黄色いミニオンキャラは、すっかり日本の人気キャラとして定着している。2位「銀魂」や3位「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」も快進撃を続ける中、今後も期待作の公開が続く。

「夏休み映画」として7月から8月中旬までに公開される主要作品の興行収入を、鑑賞意欲度調査に基づく見込みも合わせて合算すると、堅めに見積もっても460億円程度。「ジュラシック・ワールド」をはじめ、洋画大作の大ヒットが連発した2015年の500億円超え確実とは言えないものの、同じ条件で集計した16年の450億円は超えるとみられる(なお、「君の名は。」は16年8月の最終週公開なので、集計には入っていない)。

 

【図】夏興行のジャンル別内訳 ※



今後公開作で現時点の浸透度から大きな動員が期待できそうな作品には、人気ハリウッド大作の最新版「トランスフォーマー」「スパイダーマン:ホームカミング」などが控えている。そして、今年の夏興行の中で最も数字が読みづらいと言われているのは岩井俊二監督映画のアニメ版「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」である。本作は「君の名は。」と同じ東宝配給で、企画・プロデュースは川村元気。昨年と同様に夏の終わりの台風になるか注目される。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・チャートの裏側 「「怪盗グルー」好スタート」 (毎日新聞2017年7月28日 東京夕刊)
 


※集計作品の抽出条件は、各年の7月から8月中旬(7月最初の週末から数えて8週目の土日までの間)までの間に公開された映画かつ100スクリーン以上で公開された(される見込み)のもの

※2017年公開映画については、公開週末土日二日間の興行収入に6.5倍(2016年、2015年公開作品の公開週末土日:最終興行収入の伸び率を参考にした)を乗じたものを最終興行収入とした。7月27日以降公開映画については弊社のCATS調査に基づく興行収入シミュレーションの公開週末土日の数値を用いている。