記事

2016年総興行収入発表:次世代育てた「君の名は。」
公開日: 2017/01/27

本記事は、2017年1月27日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された記事を転載し、補足画像を加えています

『君の名は。』 2016年8月26日公開|(C)2016「君の名は。」製作委員会

 


今なお公開が続き、再びランキング1位に返り咲いた「君の名は。」の貢献度が高い。2016年の映画の総興行収入が、過去最高になったことに対してである。

日本映画製作者連盟(映連)によると、総興収は2355億円。入場者数も42年ぶりに1億8000万人を超えた。毎週の映画マーケティング調査から映画鑑賞の意向の推移を見ると、昨年は年初からの「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」に続き、春も「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」「ズートピア」などのヒットで好調だったが、かき入れ時の夏は「シン・ゴジラ」があったものの、洋画大作の公開が集中した前年に比べ失速していた。

しかし、夏の終わりに公開された「君の名は。」で大きく盛り返した。同作は16年作品別興収1位となり、興収は現時点で235億円超と発表されている。前年の総興収は2171億円で、16年は184億円増加した。つまりは、ほぼ「君の名は。」1作分程度、増えている。

【図1】*劇場鑑賞意向者の推移
*「劇場鑑賞意向者」:全国に住む15~69歳の男女のうち、過去1年間に1本以上映画を観たと回答した人

このメガヒットの意義は、それだけではない。男女10、20代を大量に動員した本作が「次世代の映画観客層」を育てた意義も大きい。
【図2】『君の名は。』鑑賞者性年代構成比

また、劇場動員数が増えたこともあり、先述の調査によると、16年は「映画館で予告編をみた」と答える人の割合も増加傾向にある。
【図3】 映画興行の*予告編記憶者の年間推移
*「予告編記憶者」:調査実施の前日の金曜から前週の土曜までの過去1週間に、劇場で映画を観て、かつ、予告編を覚えている人
活況だった16年から始まったばかりの17年に、バトンは渡されていると言えよう。

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載


◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 「次世代育てた「君の名は。」」 (毎日新聞2017年1月27日 東京夕刊)