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『フォルトゥナの瞳』首位獲得! ヒットを導く鑑費者層のすみ分け
公開日: 2019/02/22

2019年2月22日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された『シネマの週末・データで読解: すみ分けのうまい東宝』の転載に、補足を加えています
『フォルトゥナの瞳』

『フォルトゥナの瞳』
公開中
© 2019「フォルトゥナの瞳」製作委員会

 

 

<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(16、17日)>

 

1. (ー) フォルトゥナの瞳 (1週目)
2. (2) アクアマン (2週目)
3. (1) 七つの会議 (3週目)
4. (3) マスカレード・ホテル (5週目)
5. (4) 劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ (2週目)
6. (5) コードギアス 復活のルルーシュ (2週目)
7. (8) ボヘミアン・ラプソディ (15週目)
8. (6) メリー・ポピンズ リターンズ (3週目)
9. (7) 十二人の死にたい子どもたち (4週目)
10. (9) 雪の華 (3週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
 

 

『フォルトゥナの瞳』が1位を獲得した。ヒットの目安の興行収入10億円超えが射程に入った素晴らしいスタート。

 

百田尚樹の小説が原作のラブストーリーである。事前の宣伝を見ると、ターゲット層を絞った効率よい展開がうかがえる。認知率も意欲率も女性10~20代に集中して高めだ。主要キャストに神木隆之介、有村架純の人気俳優を配し、主題歌を若者に人気のONE OK ROCKが歌うことも話題度を換気した。

 

各作品公開週末の性年代別意欲率
※意欲率:映画観賞者全体の中で、本作を「絶対に映画館で観る」と回答した人の割合 (「すでに観た」と回答した人は含まない)

 

 

上位には邦画実写の『マスカレード・ホテル』『七つの会議』がある。『マスカレード・ホテル』は東野圭吾の同名ミステリー小説を木村拓哉を主演に迎えた作品。累計興収は37億円を超えており、意欲層は女性全般、特に10~20代と60代が高めで、男性も50~60代が高め。地域の偏りなく、幅広い層に支持を受けている。

 

『七つの会議』は企業内の不祥事をめぐるドラマだが、こちらは男性20~60代、女性50~60代で意欲率が高め。地域別では首都圏・関西の都市部で高めである。

 

これら2作も『フォルトゥナの瞳』も東宝配給作品だ。鑑賞者層はすみ分けがされていて、いずれもそれぞれの強みを生かした素晴らしい展開となっている。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『すみ分けのうまい東宝』(毎日新聞2019年2月22日 東京夕刊)

 

今回の調査結果について
今回の調査結果は、弊社が販売している「CATS 作品別詳細オンライン」をもとにしています。本レポートは、今後劇場公開予定の作品について、宣伝状況を把握し、目標目安値に対して現在どのような状況であるかを週次で把握できるオンラインレポートです。マーケティング指標を「事前に設定した目標目安値」「過去類似作品」「同時期公開作品」と比較することで、宣伝等の目標達成状況をより明確に分析可能です。

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