第5回:オリジナル映画のヒット戦略と「カウンタープログラミング」の可能性
公開日: 2022/08/05
2022年5月、米カリフォルニア州ロサンゼルスでリアルとオンラインのハイブリッド開催を行った“Variety Entertainment Marketing Summit”より、各スタジオのトップマーケッターが登壇したパネルディスカッション“Meet the Masters Keynote Roundtable”をレポートします。
クラウディア・エラー(Claudia Eller)
バラエティ(Variety)誌 編集長
パネリスト:
ジョシュ・グリーンスタイン(Josh Greenstein)
ソニー・ピクチャーズ モーション ピクチャー グループ(Sony Pictures Motion Picture Group):プレジデント
ウコンワ・オジョ(Ukonwa Ojo)
Amazon プライム・ビデオ(Amazon Prime Video)兼Amazonスタジオ(Amazon Studios):チーフ・マーケティング・オフィサー
マイケル・モーゼス(Michael Moses)
ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures):チーフ・マーケティング・オフィサ
特集連載第5回は、オリジナル映画のヒット戦略が取り上げられました。フランチャイズと異なり、作品の認知獲得が難しいオリジナル映画に対して何ができるのか。ソニーの“Where the Crawdads Sing(原作小説「ザリガニの鳴くところ」)” 『ブレット・トレイン』、ユニバーサルの『NOPE/ノープ』を例にトップマーケッターが事例とともに紹介します。
※本記事で触れられている内容は2022年5月時点の情報です
コア層を味方につけ、オーディエンスを拡張
モデレーター
みなさん、非常に多くの続編を手掛け、また公開しています。マーケティングの際、前作を観た人だけに頼ることはできませんよね。つまり、前作を知らない人にも観てもらわなければいけません。これは、前作が存在しないオリジナル映画では顕著になるかと思います。作品知識のない人をどのように獲得するのでしょうか。
ジョシュ・グリーンスタイン(ソニー・ピクチャーズ、以下ソニー)
それぞれ独自の方法があるかと思います。ただ、通常うまくいくのは、コア層の期待を非常に高めることです。コア層を味方にすることで、批判を受けにくくするのです。というのも、コア層を敵に回すと、延々と彼らとやり取りをする羽目に陥るからです。特に今日、コア層の声はとても影響があります。もし、キャンペーンが適切に行われていないと彼らが感じてしまうと、彼らの影響でキャンペーンが台無しになることもありえるのです。そして、公開が近づくにつれて、進むべき道を見定め、ファンを育てていくのですが、映画によってその方法は異なります。
『アンチャーテッド』では、コア層から始めました。そして、まるでゲームとは関係のない作品のように仕立てて、オーディエンスを拡張しました。実際、(原作となった)ゲームをプレイしていても、していなくても成立する物語だったからです。拡張したオーディエンスの大部分はゲームをする人ではありませんでした。
カウンタープログラミングで仕掛ける『ブレット・トレイン』
モデレーター
夏には多くの大作映画の公開が控えています。一方で、“Where the Crawdads Sing(原作小説「ザリガニの鳴くところ」)”やブラッド・ピット主演の『ブレット・トレイン』といった……(以下、会員限定記事にて掲載)
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