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セミナー②「デジタル時代の映画マーケティング」 【第2回】Google検索やソーシャルメディアを目的と作品に応じて選別
公開日: 2023/06/30

特集:CinemaCon 2023 “INTERNATIONAL DAY” セミナー②「デジタル時代の映画マーケティング」【第2回】
cinemacon 2023

米ラスベガスにて開催された世界中の興行会社と配給会社が集まるコンベンション「CinemaCon(シネマコン)2023」(開催期間:4月24日~27日)にて、デジタル時代の映画マーケティングに関するセミナー「Movie Marketing: Welcome to the Digital Age」が開催されました。興行、配給のマーケティング担当者が登壇し、バラエティに富んだデジタル・マーケティングの成功事例からTikTokの活用事例、AIとの付き合い方まで、議論は多岐に渡りました。その模様を5回に分けてレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年4月時点の情報です

モデレーター
アンソニー・ダレッサンドロ(Anthony D'Alessandro)
デッドライン(Deadline):編集ディレクター&ボックスオフィス担当エディター

パネリスト
■興行会社
ダン・グリーン(Dan Green)
ヴュー・インターナショナル(Vue International):デジタル部門 グループディレクター

ステファニー・ミルズ(Stephanie Mills)
ホイツ(Hoyts):販売・マーケティング・コンテンツ部門 ディレクター

■配給会社
ダニエル・ベカス(Danielle Bekas)
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures):海外マーケティング部門 共同エグゼクティブ・バイスプレジデント

アレックス・サンガー(Alex Sanger)
ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures):デジタル・マーケティング部門 エグゼクティブ・バイスプレジデント

第2回は、TwitterやFacebook、YouTubeなどのデジタルメディアに着目。興行会社、配給会社双方の立場からデジタル施策の利用・活用状況が明かされました。達成目的により、利用プラットフォームを選別することが重要とされるなか、興行と配給で異なる見解に注目です。

《目次》
 

 

モデレーターが投げかけた「顧客にリーチするために有効なデジタル施策やソーシャルメディア・プラットフォームは何か?」との問いに対して、興行・配給それぞれの立場から具体的なプラットフォームの活用法が紹介されました。

興行会社は検索重視

Googleの検索広告に注力

ヴューのグリーン氏は、「マーケティング全般と同様に、デジタル戦略においても作品とそのターゲット層により、有効な施策は異なる」としたうえで、同社がGoogleの検索連動型広告に重きを置いていると明かしました。「Google検索はソーシャルメディアやカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)、プッシュ通知よりもはるかに大きなツールです。劇場で見る映画を探す観客の検索にかかるようにすることが、本当に重要なのです」。

Facebook、Instagram、TikTokのユーザー特性を把握

すべての主要デジタルプラットフォームを活用し、費用対効果を見定めていると話すグリーン氏。「FacebookやInstagramは、流れてきた情報をクリックしてお金を落とす、比較的年配層が多く利用しています。TikTokユーザーの14歳や15歳のティーン層はすぐにお金を使うことはあまりないものの、別の形での効果があります」。

ホイツのミルズ氏も「自分たちが何を達成したいかによって、違うプラットフォームを選んでいる」と語り、オーストラリアの状況を共有。「オーストラリアではいまだ、FacebookとInstagramが二大ソーシャルメディアで、特にFacebook内での反応がチケット売上につながっている気がします。TikTokは今、人口2,600万人のオーストラリアに340万人のユーザーがいる状態なので、急速に伸びています」。

Twitterの積極的活用はないが、BTS映画やインド映画に有効

Twitterに関してヴューのグリーン氏は、顧客のツイートに助けられることはあるものの、主体的にマーケティング・キャンペーンに使うことはないとしましたが、「BTSの映画『BTS: Yet To Come in Cinemas』公開の際は例外で、ARMYと呼ばれるファンがTwitterに多くいるため、まず、そこで告知をしたところ、インフルエンサーたちが皆に情報を広めてくれ、Twitterの恩恵を受けた」と明かしました。

ホイツのミルズ氏も同様に、「Twitterはそれほど存在感が大きくありませんが、Twitterで浸透する傾向が高いインド映画公開の際には活用しています。とにかく、目的に応じて使い分けることですね」と見解を示しました。

 

作品と観客に合わせてメディアプランニングを行う配給会社

YouTubeは動画の王様、Snapchatも依然重要

配給側も、「作品やターゲット層、展開したいコンテンツに応じて、プラットフォームを使い分ける」と回答。

ワーナーのベカス氏は、「どのプラットフォームも非常に価値があって役立つ」としながら、……(以下、会員限定記事にて掲載)

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