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佳作ヒットの“実りの秋” - 性年代別の意欲度に注目
公開日: 2017/09/29

2017年9月29日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された「シネマの週末・データで読解:「佳作ヒット“実りの秋”」の転載に、チャートを加えています

(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会


<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(23、24日)>

 

1. (ー)

ナミヤ雑貨店の奇蹟

(1週目)

2. (ー)

あさひなぐ

(1週目)

3. (2)

ダンケルク

(3週目)

4. (3)

三度目の殺人

(3週目)

5. (1)

エイリアン:コヴェナント

(2週目)

6. (4)

関ヶ原

(5週目)

7. (5)

怪盗グルーのミニオン大脱走

(10週目)

8. (ー)

ユリゴコロ

(1週目)

9. (6)

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール

(2週目)

10.(ー)

スクランブル

(1週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ



佳作ヒット“実りの秋”


先週末に公開された映画の中から「ナミヤ雑貨店の奇蹟」と「あさひなぐ」がワンツーフィニッシュ。

ナミヤ雑貨店の奇蹟」は東野圭吾によるベストセラー小説をHey! Say! JUMPの山田涼介、西田敏行ほか人気俳優で映画化したもの。原作ファンの多さや、キャストの人気・知名度も手伝って、女性層の鑑賞意欲度が高めである。中でも10代と60代の意欲度が高いサンドイッチ状態。異なる鑑賞者層をうまく取り込んだヒットといえる。
 



一方の「あさひなぐ」は男女10代の鑑賞意欲度が高めだった。10代は映画館では友人など複数人で映画を見ると答える割合が高い。話題の作品についてはみんなで見る、という行動特性から、数字が跳ね上がりやすい。ロングランヒットが記憶に新しい「君の名は。」も10代の男女に圧倒的に支持されていた。
 


秋は、夏休み・年末年始の長期休暇シーズンのように最終興行収入が50億円を超えるようなメガヒット作よりも、中規模の作品が多く公開される。今後のラインナップでは、「僕のワンダフル・ライフ」が29日公開。「ナミヤ雑貨店の奇蹟」同様、幅広い女性層で鑑賞意欲が高まっている。

30日には、佐藤健主演のアクション映画「亜人」が公開されるが、「あさひなぐ」同様に10代の男女の鑑賞意欲が高い。
 

 


佳作ヒットの“実りの秋”が続きそうだ。

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
 

(C)2017映画「亜人」製作委員会 (C)桜井画門/講談社

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 「「佳作ヒット“実りの秋”」 (毎日新聞2017年9月29日 東京夕刊)

 

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