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指標の「伸び幅」ランキングで振り返る2017 - 劇場鑑賞意欲度、劇場以外での鑑賞意欲、動画配信サービスの認知など
公開日: 2017/12/15

年の瀬の公開となる今回は、弊社の代表的なトラッキングレポートのマーケティング指標で今年を振り返ります。今年の干支である酉(トリ)にちなんで、どんな作品が「羽ばたいた」のか、鑑賞意向の伸び幅などをランキングとしてまとめました。

 

2017年劇場公開作品の「鑑賞意欲度」伸び幅トップ10、1位は『ラ・ラ・ランド』

対象作品は、2016年12月から2017年11月までの間に劇場公開された作品のうち、弊社調査対象の301作品。
劇場公開映画の浸透度を毎週トラッキングするCATS市場概況レポート内のデータから「公開8週前から公開週の劇場鑑賞意欲度の差分」を算出し、伸びた値が多い順にランキングにしました。

【劇場公開作品】公開8週前から公開週までの劇場鑑賞意欲度の伸び幅(ポイント)

(公開週については「すでに見た」も含む)

 1位

 『ラ・ラ・ランド』

 2位

 『美女と野獣』

 3位

 『海賊とよばれた男』

 4位

 『関ヶ原』

 5位

 『メアリと魔女の花』

 6位

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

 7位

 『SING/シング』

 8位

 『モアナと伝説の海』

 9位

 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

 10位

 『22年目の告白-私が殺人犯です-』

 

1位は『ラ・ラ・ランド』。アカデミー賞での前代未聞の事件で話題になる一方、興行収入40億円を超える素晴らしい興行収入を達成した本作は、公開前からの宣伝も極めて快調でした。本作の期待度の伸びは“洋画オリジナル作品”としてはきわめて特筆すべき値でした。

ほか、ディズニー配給作品はオリジナル・原作・シリーズもの問わず多くの作品がランクイン。『美女と野獣』『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『モアナと伝説の海』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などがトップ10入り。もともとファン層の規模が大きいディズニー作品ですが、公開前の宣伝を通じてさらに力強く浸透していった様子がうかがえます。

DVD・動画配信など劇場以外での「鑑賞意欲」の変化の幅トップ10

続いて、今年DVDが発売された映画について、DVD・ブルーレイセル(購入)・レンタル、TVOD・ESTなど、ホームエンタテイメントでの個別作品の意欲度の伸びを算出しました。元データは、DVDブルーレイでの映画・ドラマの浸透度やウィンドウ別意欲度をモニタリングするBIRDSレポートです。
対象としているのは2016年12月から2017年11月までの間に、DVDセルが発売された映画のうち、劇場公開時に100スクリーン以上で公開されたものです。

【2017年DVDセル発売作品】劇場公開時からセル発売時までの「購入意欲」の伸び幅(ポイント)

(購入意欲=DVD・ブルーレイを購入して作品を観たい)

 1位

 『君の名は。』

 2位

 『美女と野獣』

 3位

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

 4位

 『シン・ゴジラ』

 5位

 『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』

 6位

 『ONE PIECE FILM GOLD』

 7位

 『ラ・ラ・ランド』

 8位

 『3月のライオン 【後編】』

 9位

 『Born in the EXILE -三代目 J Soul Brothersの奇跡-』

 10位

 『GANTZ:O』

 

【2017年DVDセル発売作品】劇場公開時からセル発売時までの「EST意欲」の伸び幅(ポイント)

(EST意欲=動画配信販売で作品を観たい)

 1位

 『美女と野獣』

 2位

 『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』

 3位

 『ハドソン川の奇跡』

 4位

 『黒執事 Book of the Atlantic』

 5位

 『レッドタートル ある島の物語』

 6位

 『ワイルド・スピード ICE BREAK』

 7位

 『名探偵コナン から紅の恋歌』

 8位

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

 9位

 『バイオハザード:ザ・ファイナル』

 10位

 『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』

 

【2017年DVDセル発売作品】公開からセル発売までの「レンタル意欲」の伸び幅(ポイント)

(レンタル意欲=DVD・ブルーレイをレンタルして作品を観たい)

 1位

 『君の名は。』

 2位

 『シン・ゴジラ』

 3位

 『ラ・ラ・ランド』

 4位

 『美女と野獣』

 5位

 『映画 聲の形』

 6位

 『モアナと伝説の海』

 7位

 『相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断』

 8位

 『ONE PIECE FILM GOLD』

 9位

 『名探偵コナン から紅の恋歌』

 10位

 『バイオハザード:ザ・ファイナル』

 

【2017年DVDセル発売作品】劇場公開時からセル発売までの「TVOD意欲」の伸び幅(ポイント)

(TVOD意欲=レンタル型動画配信で作品を観たい)

 1位

 『シン・ゴジラ』

 2位

 『美女と野獣』

 3位

 『貞子vs伽椰子』

 4位

 『君の名は。』

 5位

 『デスノート Light up the NEW world』

 6位

 『名探偵コナン から紅の恋歌』

 7位

 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』

 8位

 『ハドソン川の奇跡』

 9位

 『ONE PIECE FILM GOLD』

 10位

 『バイオハザード:ザ・ファイナル』

 

昨年の劇場公開時に目覚ましいヒットとなった『君の名は。 』 『シン・ゴジラ』多くのメディア形態でランクイン。
このランキングで注目すべき切り口は様々ですが、例えば、『ハドソン川の奇跡』はDVD/ブルーレイではセル・レンタルともランクインしていないのに、デジタルフォーマットのEST(動画配信販売)やTVOD(レンタル型動画配信)ではランクイン。デジタルメディアでのマーケティング施策の展開が伺えます。

定額制動画配信サービスの「サービス認知度」変化トップ10

最後に、SVOD(定額制動画配信)サービスの「羽ばたき」度合いを検証。ここでは個々の配信サービス認知度の一年間(2016年12月から2017年11月※)を通じた変化を算出しました。

※ レンタル意欲=DVD・ブルーレイをレンタルして作品を観たい

【定額制動画配信サービス】サービス認知度の変化(ポイント)

(2016年12月調査時~2017年11月調査時 )

 1位

 Amazonプライム・ビデオ(+3.8)

 2位

 Netflix(+3.2)

 3位

 DAZN(+2.0)

 4位

 アニメ放題(+1.5)

 5位

 Abemaビデオ(プレミアムプラン)(+1.5)

 6位

 dTV(+1.5)

 7位

 U-NEXT(+1.3)

 8位

 プレミアムGYAO!(+0.9)

 9位

 ビデオパス(+0.9)

 10位

 J:COMオンデマンド(+0.6)

 11位

 dアニメストア(+0.5)

 12位

 Hulu(+0.2)

 13位

 Rakuten TV(+0.1)

 14位

 TSUTAYA TV(-0.3)

 15位

 ひかりTVビデオサービス(-0.5)

 

多くの利用者を抱え、TVOD、ESTでの展開も力強いAmazonが1位。続くのはNetflixで、番組のプロモーションを中心に据えた各種広告・プロモーション施策が功を奏していることが伺えます。

今年スタートしたばかりで話題になっているAbemaTVとDAZNもランクイン。来年に向けてさらなる伸びが期待できそうです。

 


今回の記事に登場するデータ元

【劇場公開作品】公開8週前から公開週までの劇場鑑賞意欲度の伸び幅(ポイント)

・CATS 市場概況レポート

【DVDセル販売作品】劇場公開からセル発売までの「購入意欲・EST意欲・レンタル意欲・TVOD意欲」の伸び幅(ポイント)

・BIRDS ホームエンタテイメント浸透度レポート

【定額制動画配信サービス】サービス認知度の変化(ポイント)

データについて

上記のようなデータのほか、映画・映像コンテンツに関するデータを豊富に保有しています。 ご興味のあるかたはお問い合わせください。

 

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