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認知率と露出の推移で紐解く、『ボヘミアン・ラプソディ』続くヒットの好循環
公開日: 2019/01/25

2019年1月25日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された『シネマの週末・データで読解: 続くヒットの好循環』の転載に、補足を加えています
『ボヘミアン・ラプソディ』

『ボヘミアン・ラプソディ』
公開中
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 

 

<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(19、20日)>

 

1. (ー) マスカレード・ホテル (1週目)
2. (2) ボヘミアン・ラプソディ (11週目)
3. (1) 劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 Ⅱ.lost butterfly (2週目)
4. (3) シュガー・ラッシュ:オンライン (5週目)
5. (ー) 映画刀剣乱舞 (1週目)
6. (4) ドラゴンボール超 ブロリー (6週目)
7. (8) ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow (3週目)
8. (ー) TAXi ダイヤモンド・ミッション (1週目)
9. (5) こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 (4週目)
10. (10) 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER (5週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
 

続くヒットの好循環

『ボヘミアン・ラプソディ』は興行収入100億円を超え、昨年公開映画で1位となった。ここまでの軌跡を過去1年に映画を1本以上観た人へのマーケティング定点調査で見てみよう。

 

公開12週前時点での認知率は12%。ほとんどの人に知られていなかった。劇場予告編や各種メディア宣伝で、公開時には33%まで上がる。鑑賞意欲層はいわゆるクイーンファン層の世代、男性40、50代と女性50代。

 

『ボヘミアン・ラプソディ』認知率推移/GRP推移
認知率:映画観賞者全体の中で、本作のタイトルを「知っている」と回答した人の割合。「映画鑑賞者」は、過去1年間に映画館で1本以上映画を観た人

 

 

公開後、5週目までの土日興収が前週よりも増加する異例の展開となる。各種メディアでヒットが取り上げられ、それがさらなるヒットにつながる好循環となる。この時期に宣伝露出が最初のピークを迎える。認知率は47%にまで上がり、鑑賞意欲層もクイーン世代から若い層へ、また、話題性の高さに敏感な層の意欲率が高まっている。

 

『ボヘミアン・ラプソディ』土日興行収入推移

 

その後もじわじわ認知率が上がり、また、ゴールデングローブ賞受賞のニュースが飛び込んだ週には、認知率は前週比6ポイント上昇し、10週目にして65%に到達。現時点では性、年代での意欲率の差は小さくまんべんなく広がっている。先日発表されたアカデミー賞でも5部門にノミネートされており、今後の賞レースの結果次第では、またさらなる広がりの可能性もある。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『続くヒットの好循環』(毎日新聞2019年1月25日 東京夕刊)

 

今回の調査結果について
今回の調査結果は、弊社が販売している「CATS 作品別詳細オンライン」をもとにしています。本レポートは、今後劇場公開予定の作品について、宣伝状況を把握し、目標目安値に対して現在どのような状況であるかを週次で把握できるオンラインレポートです。マーケティング指標を「事前に設定した目標目安値」「過去類似作品」「同時期公開作品」と比較することで、宣伝等の目標達成状況をより明確に分析可能です。

そのほか、同時期公開作品の浸透度を俯瞰して把握できる「CATS 市場概況レポート」もおすすめです。認知、興味、意欲といった指標をはじめ、公開初週土日の興行収入シミュレーションやテレビ露出量、劇場予告編到達率、さらにはデジタルにおける最新露出状況を、同時期公開作品間で比較いただけます。

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