コロナウイルスと「特別な夏」映画興行の消費者心理
公開日: 2020/08/28
『糸』 公開中
© 2020映画『糸』製作委員会
<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(22、23日)>
1. (NEW) | 糸 | 1週目 |
2. (2) | 映画ドラえもん のび太の新恐竜 | 3週目 |
3. (1) | 劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III.spring song | 2週目 |
4. (NEW) | 2分の1の魔法 | 1週目 |
5. (3) | 今日から俺は!!劇場版 | 6週目 |
6. (4) | コンフィデンスマンJP プリンセス編 | 5週目 |
7. (6) | 思い、思われ、ふり、ふられ | 2週目 |
8. (5) | 弱虫ペダル | 2週目 |
9. (NEW) | 映画 ギヴン | 1週目 |
10. (7) | ぐらんぶる | 3週目 |
※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
8月末となり「特別な夏」の興行が終わりつつある。ランキングを見ると先週公開された『糸』は土日2日間で興行収入2億円を超える好スタート。2位の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』も累計興収20億円を突破した。この夏人々は旅行や帰省を控えるなど我慢の季節だったが、そんな中でも、映画鑑賞が人々の思い出に少しはなったのかもしれない。
全国に住む男女(15~69歳)への消費者調査(8月22日実施)をみると、感染者数の急増を受けて高まりかけていた映画鑑賞への自粛意識も、再び収まる傾向にある(参照①「映画鑑賞の自粛の必要性」)。
しかし、まだまだ元通りとは言えない。週末映画興行は前年同時期と比べてほぼゼロだったところから、直近ではだいぶ戻ってきているが、ようやく50~60%程度。シニアやファミリー層ではまだ自粛意識は高い(参照②「性年代別:自粛の必要性」)(参照③「家族連れの意識の推移」)。
また、来場者の中で映画館には2人以上ではなく、1人で行くと答える割合は以前より高まっている(参照④「誰と映画を観に行くか」)。さらに言えば酷暑も人々を映画館から遠ざけた(参照⑤「観たい作品を観ていない理由1」)(参照⑥「観たい作品を観ていない理由2」)。
9月以降、期待作も徐々に公開される。人々の背中を押すのは何よりも新作(参照⑦「新作の劇場鑑賞意欲」)。未曽有の不確実な状況が続くからこそ、娯楽という心の栄養、気分転換も必要だ。もちろん興行運営側も、観客側も、安全対策には十分配慮したうえで、実りの芸術の秋となることを期待したい(参照⑧「映画館が危ないと感じる理由」)
(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『我慢の夏 実りの秋に期待』(毎日新聞2020年8月28日 東京夕刊)
【調査対象】全国に住む15-69歳の男女(年間0本鑑賞者も含む)
【調査実施日】
第1回:2020年4月25日(土)~2020年4月27日(月)
第2回:2020年5月9日(土)~2020年5月11日(月)
第3回:2020年5月23日(土)~2020年5月25日(月)
第4回:2020年6月13日(土)~2020年6月15日(月)
第5回:2020年7月11日(土)~2020年7月13日(月)
第6回:2020年8月22日(土)~2020年8月24日(月)
【回収サンプル】スクリーニング調査 4,000サンプル / 本調査 500サンプル
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計、弊社実施調査を参考に回答者を性年代・映画鑑賞頻度別に重みづけ
新着記事
-
『【推しの子】』『葬送のフリーレン』『薬屋のひとりごと』『ダンダダン』、アニメ化前の推しファン人数からヒットポテンシャルを探る
(2024/12/27) -
『ダンダダン』推しファン人数100万人に到達、『Snow Man』推しエンタメブランド価値3カ月連続1位~2024年12月エンタメブランド調査結果~
(2024/12/27) -
映像・書籍・音楽・ゲーム・ラジオ横断でリーチ力を調査、2024年のTOP3は『ポケモン』『ツムツム』『ONE PIECE』
(2024/12/20)
新着ランキング
-
メディア横断リーチpt 急上昇TOP10(2024年12月第3週)
(2024/12/26) -
メディア横断リーチpt 週間TOP10(2024年12月第3週)
(2024/12/26) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20(2024年12月第3週)
(2024/12/26)