ハリウッド式から脱却したビジネスモデルのパワー【特集】ハリウッド式から脱却したヒットの仕組み~エンジェル・スタジオ成功の裏側(後編)
公開日: 2024/01/18
米ロサンゼルスで行われた「Variety Entertainment & Technology Summit 2023」にて9月21日、米映画界で話題のインディペンデント映画スタジオ、エンジェル・スタジオ(Angel Studios)のエグゼクティブたちが、インディペンデント・フィルムメイキングの新たなかたちについて語ったパネルディスカッション「Angel Studios: A New Opportunity for Independent Filmmakers」の様子をレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年9月時点の情報です
マット・ドネリー(Matt Donnelly)
Variety:シニア・エンタテイメント&メディア・ライター
パネリスト
ジャレッド・ギーシー(Jared Geesey)
エンジェル・スタジオ(Angel Studios):グローバル配給部門シニアバイスプレジデント
ニール・ハーモン(Neal Harmon)
エンジェル・スタジオ(Angel Studios):共同創始者兼CEO
後編は、エンジェル・スタジオ(Angel Studios)のエグゼクティブたちが、エンジェル・ギルド(Angel Guild)の企画承認プロセスの核となる“トーチ”や、求めているストーリー、今後の展開について話しました。
グリーンライト・プロセスの核となる“トーチ”
エンジェル・スタジオ(Angel Studios)の企画承認プロセスでは、従来のハリウッド式である脚本ピッチなどの代わりに、“トーチ(たいまつ)”と呼ばれる5分以上のコンセプト映像を活用しているといいます。
ジャレッド・ギーシー氏はその活用方法について、「トーチは、完成作品をイメージできるコンセプト・リールのようなもので、エンジェル・ギルドのグリーンライト(企画を承認し、ゴーサインを出すこと)プロセスの核となるもの。劇場公開を目指す作品のトーチや完成した長編映画があれば、それらをギルドのメンバーに見せます。それによってギルドは、映画製作者のビジョンを把握し、そのストーリーをエンジェルが市場に送り出すべきかどうかを判断するのです」と述べました。
続けて、こうしたコンセプト映像を“トーチ”と呼ぶ理由について、ニール・ハーモン氏が明かしました。「映画館でエンジェル・スタジオの映画が上映される際、赤銅色のロゴと、酸化銅の背景が目に入ると思います。これは自由の女神にちなんだもの。実は、自由の女神がクラウドファンディングによるプロジェクトだったことは、あまり知られていません。フランスの芸術家フレデリック・バルトルディが、まず何とかトーチを作るのに必要な資金をかき集め、そのトーチとともに、ヨーロッパ中と米国中を周り、資金を集めて像を作ったのです。歴史上最も素晴らしいこの芸術品は、群衆の力によって完成したのです」。
作品を推すパワーとクリエイターへのメリットを併せ持ったビジネスモデル
ハーモン氏は、エンジェル・ギルドの会員皆が作品を推すことのパワーとメリットについて語りました。「例えば、私の家から数ブロック先にある通りは、以前は賃貸物件ばかりだったので、芝生は枯れ、老朽化した窓や壊れた車だらけでした。そこに15年ほど前から、ひと家族、またひと家族と引っ越してきて、通りが見違えるように生き返りました。その通りに住む皆が、持ち家を大切にしているからです。今の映像ビジネスの問題のひとつは、視聴者が配信プラットフォームから作品をただ“レンタル”し、フィルムメイカーはコンテンツをプロデュースするためにただ“レンタル”されているということ。同社のモデルでは、全員が出資者となり、勝ちも負けもともに経験します。今のところ、私たちは勝ち続けていますが」。
さらに、歴史的な米スタジオ側と俳優組合のストライキに触れ、……(以下、会員限定記事にて掲載)
※本記事はGEM Standard会員様限定となります。
新規登録(無料)いただくと閲覧いただけます。
新着記事
-
『ダウンタウン』ら人気芸人と推しファンを結ぶメディアは「テレビ」か「ネット」か
(2026/01/22) -
日米のアニメーション製作が抱える課題とデジタル・ファーストの可能性:ANIAFF連携プログラム「WIA代表マーガレット・M・ディーン×東映アニメーションプロデューサー関弘美対談」
(2026/01/20) -
製作委員会の限界を突破するキーワード「直接海外」「データによる客観性」:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(後編)
(2026/01/15) -
世界のファイナンスから学ぶコンテンツファンド再挑戦の成功要件:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(前編)
(2026/01/15) -
「アニメ」の発展が続く未来のために:ANIAFFセミナー「日本アニメとは何か? いま世界で何が起きているのか」(後編)
(2026/01/09)
新着ランキング
-
音楽アーティスト リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
マンガ リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
映像 リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2026/01/22) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2026/01/22) -
メディア横断リーチpt 急上昇TOP10【最新週】
(2026/01/22)
アクセスランキング
(過去30日間)
-
2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る
(2025/02/25) -
劇場公開映画 週末動員ランキングTOP10【最新週】
(2026/01/19) -
【第76回紅白勝敗予想】推しファン分析で紐解く『ミセス』率いる「白組優勢」の壁と、初出場『HANA』ら紅組新勢力の爆発力
(2025/12/19) -
国内アニメは『薬屋』、アジアドラマは『イカゲーム』、バラエティは『水ダウ』が首位~2025年ジャンル別動画配信ランキング
(2025/12/25) - ランキング ジャンル別一覧
-
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2026/01/22) -
「アニメ」はなぜ世界で愛されるのか:ANIAFFセミナー「日本アニメとは何か? いま世界で何が起きているのか」(前編)
(2026/01/09) -
2025年”推し活ランキング”~『鬼滅の刃』が劇場版公開で大躍進、『モンハン』『Nintendo Switch』が急上昇
(2025/12/19) -
『俺レベ』が世界21カ国で首位、アジアでは『SAKAMOTO DAYS』、アメリカでは『ダンダダン』が上位に~世界人気アニメランキング2025年
(2025/12/10) -
世界のファイナンスから学ぶコンテンツファンド再挑戦の成功要件:ANIAFFセミナー「コンテンツファンドは日本のアニメーションに多様性をもたらすか?」(前編)
(2026/01/15)