第1章　はじめに～PANDAってナンダ？

GEM Standardの「個別設計サービス」としてご提供しているデジタルマーケティング実行&分析の”PANDA”。このPANDAには、映画宣伝に特化した多彩なサービスがあり、今後、本特集にてその魅力や活用方法をご紹介していく予定です。第1章では、まずイントロダクションとして、「そもそもPANDAとは何か？」という問いにお答えいたします。

はじめに

宣伝戦略に関してこんな要望をお持ちではないでしょうか？

GEM Partnersでは、前述した要望にお応えできるデジタルマーケティングの実行・分析サービス「PANDA（Programmatic ad AND Analytics）」を提供しています。PANDAは、その名が示す通り、Programmatic Ad^※1（運用型広告）とAnalytics（分析）が一体となったサービスであり、運用型広告に加え、独自データを用いた多角的な分析もご提供できる点が、最大の特長となります。なお、今後、具体的な施策やサービスについてご紹介してまいりますが、PANDAはそれらを総称するサービス名としてお考えください。

PANDAの分析対象データ

まず、PANDAで用いられる分析データをご紹介していきましょう。分析データは大きく分けて3つあります。

「媒体データ」
デジタル広告媒体（YouTube、Twitterなど）から得られる、運用結果などのデータ

「GEMデータ」
劇場公開時における作品浸透度トラッキングデータ（CATS）や、ホームエンタテイメント（動画配信、DVD・BD）におけるリリース前後の浸透度トラッキングデータ（BIRDS）など、GEM Partnersが展開する他サービスで蓄積した映画・映像に関するデータ

「シアターデータ」
劇場ウェブサイトの訪問者データやオンラインチケット購入データ

3つのデータを「分析」し、多角的なデジタルマーケティングを実現

「媒体データ」を分析し、デジタル広告施策のPDCAを回していくのは、一般的な運用といえます。例えば、以下のようなケースをイメージしてみてください。

「この動画素材はCPV^※2が抑えられているので、勝ちクリエイティブとして露出を上げていこう」（媒体データ）

「セグメントAはセグメントBに比べて、エンゲージメント率が高いので、Aに絞って配信を行おう」（媒体データ）

このような意思決定は、デジタル広告の運用でよくみられるものではないでしょうか。もちろん、GEM Partners でも媒体データを分析に利用していますが、それだけではありません。

PANDAがユニークなのは、一般的な広告運用の分析に「GEMデータ」「シアターデータ」を取り入れている点にあります。これによりキャンペーンの評価や、ネクストアクションの策定を、多角的な視点で行うことが可能です。下記の3つの例を見てみましょう。


【例1】媒体データ＋GEMデータ
先週実施したSNSキャンペーンのエンゲージメント率は高かった（媒体データ）

では、ターゲットである若年層の鑑賞意欲は上がっているか？（GEMデータ）

【例2】媒体データ＋シアターデータ
ミュージカル映画の宣伝をしたい。音楽関心層を狙うとすると媒体のリーチでは1000万UUとれるという（媒体データ）

では、コア層として狙うべき、ミュージカル映画を劇場で観る人はどれぐらいの規模があるのか？（シアターデータ）

【例3】媒体データ＋GEMデータ＋シアターデータ

ジャンル分けが難しい映画なので、ターゲティング戦略に迷いがある。広告プラットフォームが提供するセグメントを軸にしつつ、もう一歩踏み込んだターゲティングを行いたい（媒体データ）

そこで、GEMデータを用いて、親和性の高い作品を抽出し、ジャンル傾向を分析してみるのはどうか？（GEMデータ）

その結果をもとに、シアターデータで『青春映画好き』『ミステリー映画好き』のようにセグメントを分け、ABテストを行ってはどうか？（シアターデータ）

いずれの見地においても、宣伝施策の分析に多角的な視点を持つことがポイントになります。

PANDAの強みである「分析」のイメージをつかんでいただけましたでしょうか。具体的なデータ分析と施策の実行については、各コラムで詳しくご紹介していきます。

まとめ

※1：Programmatic Ad
デジタル広告の出稿形式の一つ。オークション形式でリアルタイムに広告枠を売買できる仕組みを持つ。掲載期間、予算、クリエイティブ、ターゲティングなどの要素を、改善、最適化できるのが特徴。日本語では「運用型広告」と訳される。

※2：CPV
Cost Per View。広告の視聴単価。