第4章 メディアプランニングの頼れるガイドブック

PANDAが映画の「客寄せ」を変える!
データ×デジタルマーケティング新戦略
第4章
メディアプランニングの頼れるガイドブック
~「映画白書」をもう一度~

PANDAでは、「媒体データ」「シアターデータ」「GEMデータ」の3つを分析対象データとして扱います。これまで、第2章、第3章と、「シアターデータ」を用いたデジタルマーケティングの手法を紹介してきましたが、本章では「GEMデータ」を使った効果的なデジタルメディアプランニングを取り上げます。

目次

作品特性に沿った
デジタルメディアプランニングが重要

作品の魅力を伝えるにあたり、デジタルメディア(媒体)をどのように組み合わせて使うかは、宣伝戦略の成否を左右する要素といっても過言ではないため、その判断は非常に重要なものです。しかし、実際にデジタルメディアプランを組み立てるとき、下記のように媒体資料などのデータから得た一般的なメディアイメージに拠ったアイデアが多く、最終判断に苦慮するのではないでしょうか。

このような場面でも、PANDAであればGEMデータを利用してもう一歩分析を進めることが可能です。どのメディアにどれだけ投下すればいいかなど、作品の特性(ジャンル、ターゲットセグメント)に適したデジタルメディアプランを客観的なデータに基づいて立案いただけます。

疑問や直感を確信に導くガイドブック
「GEM映画白書ダッシュボード」

PANDAにおけるデジタルメディアプランニングでは、GEM Standardにてご提供している『GEM映画白書ダッシュボード(以下、映画白書)』を「GEMデータ」として活用することをオススメしています。本商品は、映画鑑賞者のスタイルやニーズの“変化”を掴むのに適したオンラインダッシュボードです。提供データは、大きく分けて「定点調査」と「企画調査」に分類されており、例として下記のような項目があります。

【定点調査】 ※2014年~2019年の6年にわたり実施
・映画を観る際にこだわっていることは何か
・劇場参加者人口はどのように推移しているか
・ホラー映画好きな層は他にどのようなジャンルの映画を好んでいるのか


【企画調査】※2019年実施
・鑑賞料金の値上げによる影響はあったのか
・映画館に対するイメージにはどのような変化があったのか
・鑑賞作品の関連グッズの購入状況はどうか

オンラインダッシュボードの特長を活かし、161種類の豊富なセグメントで、上記項目の切り口を変えることも可能です。例えば、「映画を観る際にこだわっていることは何か」という問いに対し、性年代別や鑑賞本数別、もしくはジャンル嗜好者別といった切り口でその傾向を把握できます。「映画白書」は、映画にまつわる疑問や直感に対し、客観的なデータに基づいてヒント/確信を与えてくれるガイドブックとして利用できるのです。

本章のテーマはデジタルメディアプランニングですが、「映画白書」は決してその用途に留まるものではありません。PANDAは「映画白書」のデータをデジタルメディアプランニングに活用していますが、映画・映像事業者様がマーケティング戦略全体を組み立てるときにも、必ず力強い味方になってくれます。

「GEM映画白書ダッシュボード」と
 デジタルメディアプランニング

デジタルメディアプランニングにおける「映画白書」の具体的な活用方法をご案内していきます。映画白書の2019年度企画調査の項目の一つに、「インターネットにおける映画の情報源」というものがあります。この項目を、適切な切り口で分析し、宣伝作品と親和性の高いデジタルメディアを並列で評価していきます。

新作の邦画アニメ映画の宣伝を例に、映画白書のデータを抽出してみます。調査内容は「インターネットにおける映画の情報源」、データを参照するセグメントカテゴリとして「邦画のジャンル嗜好者」を選択し、アニメ、ドキュメンタリー、SF、ホラー、恋愛・ロマンスに絞って表示しました。

なお、情報源としてのデジタルメディアは46種用意していますが、ここでは代表的なソーシャルメディア(Twitter、TikTok、Instagram、LINE、Facebook、YouTube)、および参考比較のため「映画館(劇場)のホームページ」のみを表示しています。以下が選択後の実際の画面です。ぜひご覧になる前にメディアの重要度をイメージしてみてください。

上記の映画白書のデータから、邦画アニメファン(赤枠)が「インターネットにおける映画の情報源」としてTwitterを挙げている割合が25.1%(黄枠)だということが分かりました。これは今回絞った5ジャンルの平均値18.84%よりも、6.26ポイント高いことになります。

同様に、YouTubeの割合は27.8%(青枠)で、5ジャンルの平均値22.52%よりも5.28ポイント高いことになります。結果として、邦画アニメファンは「他ジャンルのファンに比べ、TwitterやYouTubeとの親和性が高い」というインサイトが読み取れます。

一方で、LINEは7.3%(緑枠)となり、平均値の8.24%を0.94ポイント下回っており、「LINEは他ジャンルファンに比べて親和性が低い」ことも分かります。

これらにより、「邦画アニメファンはTwitterのようなパブリックな場で情報収集を行う一方で、LINEのようなリアルなつながりが前提となるメディアは情報源として重視していない」といったペルソナが浮かんでくると思います

メディアから提供される媒体資料や経験に基づいて「アニメファンを狙うならTwitterが重要」ということは直感的につかんでいるかもしれません。しかし、他のメディアに比べどの程度Twitterを重視すべきかという"差分"は、映画白書によって定量化しないと見えてきません。宣伝作品のターゲットセグメントにおけるメディアごとの情報源のバリューが映画白書により、明らかになるのです。

上記の例ではソーシャルメディアを中心に見ていますが、タイアップメディアの選定にも活用いただけます。主要映画情報サイト(映画.com、MOVIE WALKER PRESSなど)を網羅しているため、ターゲットセグメントに親和性の高いメディアを知り、確信をもってタイアップを仕掛けることができるのです。

映画白書というガイドブックを手にすることで、さらに一歩進んだデータ主導型のデジタルメディアプランニングを実施できるのです。

加味すべき要素

デジタルメディアプランニングでは、“情報源としてのバリュー”以外の要素を加味する必要があります。「映画白書」のデータに加え、各メディアの特性を理解し、プランニングに反映することが肝心です。いくつかの重要な要素を挙げていきます。

音声要素

映画作品にとって、音声はクリエイティブの重要な構成要素です。特に、ミュージカルなどのジャンルでは、音楽を聴かせることが、最も強烈なフックになるということが多々あります。こうしたケースでは、音声を聞かせることのできるメディアを活用することが重要です。

エンゲージメント

プロモーション戦略の中では、「バズ」がよく重要視されます。口コミは映画の盛り上がりを示すバロメーターです。例えば、試写会を実施しているようなタイミングでは、エンゲージメントを最大化できるようなメディアを重視して、口コミを広げることも効果的です。

シアターデータとの親和性

第2章、第3章でご紹介してきた「シアターデータ」は、強力な武器です。しかし、メディアによって相性の良し悪しがあります。情報源としてのバリューは高くなくても、シアターデータとの相性が良いため、高いパフォーマンスを発揮するメディアもあります。これは「シアターデータ」と「GEMデータ」どちらも分析対象とするPANDAだからこそ、プランニングに織り込むことのできる要素です。

本章では、「映画白書」をたたき台に、メディアの特性を加味してアレンジし、最適解を導く、PANDAによるデータ主導のデジタルメディアプランニングの手法をご案内いたしました。次回の第5章では再び「シアターデータ」に着目し、「映画館(劇場)のホームページ」のバリューについてご紹介します。本コラム内のグラフにあるとおり、「インターネットにおける映画の情報源」に関して、「映画館(劇場)のホームページ」は主要ソーシャルメディアと比較しても遜色ない、高い割合を占めています。このことが何を示しているのか、紐解いていきます。

まとめ

  • 「映画白書」は、映画にまつわる疑問や直感に対し、
    客観的なデータに基づいたヒント/確信を
    与えてくれるガイドブック
  • 「映画白書」の「インターネットにおける映画の情報源」を、
    ターゲットセグメントに沿った切り口で分析することで、
    重視すべきデジタルメディアが分かる
  • 「映画白書」のデータに加え、
    メディアの特性を考慮した最終的なデジタルメディアプランの
    組み立てが、PANDAのアプローチ

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