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『天気の子』大ヒットスタート! 鑑賞者属性の変化とヒットの関係性
公開日: 2019/07/26

2019年7月26日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された『シネマの週末・データで読解:『ヒットと市場 作り作られ』の転載に、補足を加えています
『天気の子』

『天気の子』  公開中
©2019「天気の子」製作委員会

 

 

<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(20、21日)>

 

1. (NEW) 天気の子 (1週目)
2. (1) トイ・ストーリー4 (2週目)
3. (2) ミュウツーの逆襲 EVOLUTION (2週目)
4. (3) アラジン (7週目)
5. (4) スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (4週目)
6. (NEW) チャイルド・プレイ (1週目)
7. (NEW) 東京喰種 トーキョーグール【S】 (1週目)
8. (5) Diner ダイナー (3週目)
9. (6) ザ・ファブル (5週目)
10. (8) 劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム (6週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
 

 

先週末ランキング1位はアニメ映画『天気の子』。最終興収250億円を超えた『君の名は。』の新海誠監督の3年ぶりの新作となる本作は、公開週末の土日2日間で興収11億円を超える大ヒットスタートを切った。すでに高い認知率・興味率を獲得しており、これらの層の取り込みによる力強い夏休み興行が期待される。2位には先週公開週末土日興収13億円を超えたディズニー配給のアニメ映画『トイ・ストーリー4』が続く。4位にランクインした同じくディズニー映画『アラジン』は公開7週目にして累計興収が100億円を超えた。映画興行は引き続き活況を呈している。

 

こうしたヒットが市場を作り、市場がヒットを作る。市場を見渡すと鑑賞者の属性や行動特性、市場構造は常に変化している。定点市場調査をみると、最近増加傾向にある属性はアニメ、ファンタジー、ディズニー映画好きなどが挙げられる。

 

映画参加者人口における鑑賞選好の割合推移
年間1本以上映画を鑑賞する男女15歳から69歳が、『よく見るジャンル』で「ファンタジー」「アニメ」を、『好きな映画のタイプ』で「ディズニー映画」を選択したそれぞれの割合の推移。毎週土曜日に調査し、2015年1月3日から2019年7月20日までの調査結果を掲載した。掲載数値は前1週、後1週の移動平均値。

「ファンタジー」「アニメ」「ディズニー映画好き」のどの指標も直近3カ月で跳ね上がっていることが分かる。また長期的にも「アニメ」「ディズニー映画好き」が増加傾向にあることもみてとれる。

 

今後も毎週ヒットが期待される作品の公開が続くが、認知・意欲率の動きをふまえると、特に8月公開のディズニーの『ライオン・キング』、人気アニメの劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』は、現在のランキング上位にある作品並みの興行となりそう。今の市場のトレンドの後押しも受け、夏の映画興行は引き続き盛り上がりを見せそうだ。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『ヒットと市場 作り作られ』(毎日新聞2019年7月26日 東京夕刊)

 

今回の調査結果について
今回の調査結果は、「CATS 作品別詳細オンライン」をもとにしています。本レポートは、今後劇場公開予定の作品について、宣伝状況を把握し、目標目安値に対して現在どのような状況であるかを週次で把握できるオンラインレポートです。マーケティング指標を「事前に設定した目標目安値」「過去類似作品」「同時期公開作品」と比較することで、宣伝等の目標達成状況をより明確に分析可能です。

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