第2回:絶好調の音楽ライブ市場でのヒットの要はグローバリゼーションとパーソナライゼーション(ライブ・ネーション/ユニバーサル ミュージック編)~特集:“ヒット”の定義とは? 出版・音楽・映像分野のプロが語る各々の指標
公開日: 2023/11/01
米ロサンゼルスで行われた「Variety Entertainment & Technology Summit 2023」にて9月21日、パネル・ディスカッション「Building Hit Entertainment Across Platforms」が開催されました。出版、音楽、映像と多様なエンタテイメント分野のエグゼクティブが登壇し、雑誌記事の映像化、リアリティショーにみるファンの忠誠心、ポッドキャスト事情、音楽ライブ市場の成長など、幅広いエンタメのトレンドを通して、“ヒット”の定義と指標について語った様子をレポートします。
第2回は、ライブ・ネーションとユニバーサル ミュージック グループのエグゼクティブが、音楽ビジネスにおけるヒット要素として、グローバリゼーションとパーソナライゼーションを挙げました。
※本記事で触れられている内容は2023年9月時点の情報です
マイケル・シュナイダー(Michael Schneider)
Variety/テレビ・エディター
パネリスト
アグネス・チュー(Agnes Chu)
コンデナスト・エンターテインメント(Condé Nast Entertainment):社長
イーライ・ホルツマン(Eli Holzman)
ソニー・ピクチャーズ テレビジョン(Sony Pictures Television):ノンフィクション部門プレジデント
ラッセル・ウォラック(Russell Wallach)
ライブ・ネーション(Live Nation):メディア&スポンサーシップ部門代表
リシェル・パラム(Richelle Parham)
ユニバーサル ミュージック グループ(Universal Music Group):グローバルeコマース&ビジネスデベロップメント部門代表
ジュリー・マクナマラ(Julie McNamara)
Spotify:グローバル・ボッドキャスト・スタジオ代表
- 好調な音楽ライブ市場、ソーシャルメディアでファンとの結びつきを強化
- 音楽ビジネスは真のグローバリゼーションを実現
- ライブヒットの証は、パーソナルな体験と記憶
- アーティストとファンが1対1と感じられるパーソナライゼーションを
好調な音楽ライブ市場、ソーシャルメディアでファンとの結びつきを強化
世界最大級のライブ・エンタテイメント会社、ライブ・ネーションでメディア&スポンサーシップ部門を率いるラッセル・ウォラック氏はまず、音楽ライブイベント市場の動向について語りました。「パンデミックの前後で、オーディエンスの音楽ライブイベントに対する需要はあまり変わっていないと思います。今年、当社は1億人以上のファンにチケットを販売する見込みです。世界中で多くの音楽ファンがライブに足を運んでいますし、南米やアジア太平洋地域、米国では、あらゆるジャンルのあらゆるコンサートで記録的な動員が見られます。2022年の動員数は過去最高でしたが、2023年はそれ以上になるでしょう」。
こうした好調に貢献しているのは、ソーシャルメディアの存在だというウォラック氏。「これまでの音楽マーケティングや告知といえば、新聞の全面広告やラジオ告知などが主流でしたが、今は素晴らしいデータやソーシャルメディアが存在します。以前はアーティストとファンが直接つながる手段などなかったのに、今はSpotifyやInstagram、TikTokなどのおかげで、アーティストが日々、ファンに向けていろいろなことを直接発信し、フォロワーに音楽を共有することで、誰でも世界ツアーを完売することが可能になったのです。これは、ブランド・ビジネスに身を置く、私たち皆にとってよいことだと思います」。

音楽ビジネスは真のグローバリゼーションを実現
さらに、音楽ビジネスのグローバリゼーションが進んでいることに触れたウォラック氏。「今は、ブラジルやコロンビア、メキシコ、韓国などのアーティストが、米国のアリーナやスタジアムのコンサート・チケットを完売し、逆に、これらの場所を主に活動していた米国や英国のアーティストが世界中を周り、インドにも行くようになっています。真のグローバリゼーションによって、世界中のファンが好きなアーティストの音楽を楽しむことで、ビジネスがどんどん成長していくでしょう。とても楽しみです」。
ライブヒットの証は、パーソナルな体験と記憶
こうしたなか、ライブ・ネーションにおけるヒットの指標は、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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