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まだまだ続く快進撃
公開日: 2018/08/31

2018年8月31日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された「シネマの週末・データで読解:まだまだ続く快進撃」の転載に、補足を加えています
『カメラを止めるな!』

『カメラを止めるな!』公開中
©ENBUゼミナール

 

 

<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(25、26日)>

 

1. (ー) 検察側の罪人 (1週目)
2. (1) 銀魂2 掟は破るためにこそある (2週目)
3. (2) 劇場版コード・ブルー −ドクターヘリ緊急救命− (5週目)
4. (3) インクレディブル・ファミリー (4週目)
5. (4) ミッション:インポッシブル/フォールアウト (4週目)
6. (8) カメラを止めるな! (10週目)
7. (ー) マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (1週目)
8. (7) ジュラシック・ワールド/炎の王国 (7週目)
9. (6) オーシャンズ8 (3週目)
10. (5) 劇場版 七つの大罪 天空の囚われ人 (2週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
 

まだまだ続く快進撃

『カメラを止めるな!』は二つ順位を上げて6位。この記事の掲載時には累計動員者数は100万人を超えているだろう。今月第1週にトップ10にランクインしてから毎週順位を上げている本作の快進撃を、マーケティングデータからひもといてみよう。

 

『カメラを止めるな!』累積・土日観客動員数

 

6月23日に2館で公開され、6週目の7月末に公開規模の拡大が発表された。その時点の映画参加者人口(年に1本以上映画を見る人)内での認知度は20.8%であった。その後、快進撃が話題を呼び、それがまたさらに数字を伸ばす好循環ができている。

 

『カメラを止めるな!』認知・意欲の推移

 

認知度はその後、31.6%、41.1%と上がり、先週末には55.9%にまで伸びた。劇場での動員がさらに動員ポテンシャルを生み、「まだ見ていないが見たい」という意欲度も毎週伸びている。地域別に意欲度を見ると、首都圏以外の伸びが著しい。

 

『カメラを止めるな!』地域別意欲の推移

 

現在上映館は都市部に集中しているが、全国での展開が予定されている。各地域での公開時には「待っていました」と迎え入れられるであろう。

本作は製作費300万円のいわゆる低予算映画だが、最終興行収入20億円も見えているといわれる。今年一番のシンデレラストーリーの勢いは、まだまだ続きそうである。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解「まだまだ続く快進撃」(毎日新聞2018年8月31日 東京夕刊)

 

認知:映画観賞者全体の中で、本作のタイトルを「知っている」と回答した人の割合
興味層:映画観賞者全体の中で、本作を「興味はあるので観るかもしれない」(興味)、または「絶対に映画館で観る」(意欲)と回答した人全体(興味層)の割合(「すでに観た」と回答した人は含まない)
意欲:映画観賞者全体の中で、本作を「絶対に映画館で観る」と回答した人の割合(「すでに観た」と回答した人は含まない)
※「映画鑑賞者」は、過去1年間に映画館で1本以上映画を観た人

回答者属性:全国に住む年に1本以上映画を観る15~69歳の男女
回答者数:2,800~3,400サンプル程度 (過去一定期間の回答者を除外したフレッシュサンプル)

 

今回の調査結果について
今回の調査結果は、弊社が販売している「CATS 作品別詳細レポート」をもとにしています。今後劇場公開予定の作品について、宣伝状況を把握し、目標目安値に対して現在どのような状況であるかを週次で把握できるオンラインレポートです。マーケティング指標を「事前に設定した目標目安値」「過去類似作品」「同時期公開作品」と比較することで、宣伝等の目標達成状況をより明確に分析可能です。

そのほか、同時期公開作品の浸透度を俯瞰して把握できる「CATS 市場概況レポート」もおすすめです。認知、興味、意欲といった指標をはじめ、公開初週土日の興行収入シミュレーションやテレビ露出量、劇場予告編到達率、さらにはデジタルにおける最新露出状況を、同時期公開作品間で比較いただけます。

どちらもGEM Standard会員様、非会員様に限らず購入いただけます。またCATSデータの部分販売も可能ですので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

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