[映画鑑賞者に関する調査結果] 最も関心が高まっているのは『ミュージカル映画』15~19歳の女性は友人と劇場へ
公開日: 2018/03/30
映画鑑賞者に関する基礎情報を網羅した「GEM映画白書オンライン」を販売開始しました。オンラインで105項目の豊富な調査データを多様な切り口で分析・探索することができ、さらに過去4年間(2014~2017年)の経年変化をとらえることも可能です。 その「GEM映画白書オンライン」の最新の調査データから、注目の調査結果をご紹介いたします。
高まるミュージカル映画人気、どのように観られているのか
◆2017年はどのジャンルの人気が高まったのか
調査結果によると、2017年のデータでは「ミュージカル(洋画)」を「とても好き」と答えた人の割合が、他のジャンルと比較して1年で大きく増加していることが確認できます。
【図】映画ジャンル別「とても好き」と回答した人の割合 |
これは2017年2月公開の『ラ・ラ・ランド』や2017年4月公開の『美女と野獣』などの大ヒットと話題性の高さから、ミュージカル映画への関心が高まり、ファン層が拡大したためと考えられます。
2018年2月公開『グレイテスト・ショーマン』のヒットは記憶に新しいですが、昨年のミュージカル映画への関心の高まりに応えられたことがヒットの要因のひとつとなったのではないでしょうか。
◆直近4年間での変化はどうなっているのか
さらに直近4年間で確認すると「ミュージカル(洋画)」を「とても好き」と回答した人の割合は 2016年で1.7%、2017年で1.8%の増加が確認できます。
◆「ミュージカルがとても好き」な人は、どんな人で構成されているのか
そこで、誰が「ミュージカル(洋画)」を「とても好き」と回答しているのかを確認します。セグメントを「性年代別」に分けて確認すると「とても好き」と回答している人では、15-19歳と20代の女性が多いことが分かります。
【図】ジャンル「ミュージカル(洋画)」の回答別セグメント構成比 |
◆性年代別でのミュージカルの好き嫌いはどのようになっているか
また軸を変えて、女性の各年代別の「ミュージカル(洋画)」に対する好き嫌いを確認してみますと、20代~30代の女性に人気があることが確認できます。さらに女性60代からの人気も高いことが分かりました。
【図】ジャンル「ミュージカル(洋画)」の回答別セグメント構成比 |
15-19歳、20代、30代の女性に着目すると、2017年での「とても好き」回答者は、15-19歳 と 30代 が 20代 と比較して増加していることが確認できます。
【図】女性15-19歳~30代、ジャンル「ミュージカル(洋画)」が「とても好き」回答者の推移 |
◆ミュージカル映画を劇場で見るなら誰といくのか
次に「ミュージカル(洋画)」を好む人たちが、どのような人と劇場に映画を観にくるのかを確認します。ミュージカル好きは、全体に比べて「一人で」「友人と2人で」「友人と3人以上のグループで」劇場に行く傾向があるようです。
【図】「普段鑑賞する同伴者」の傾向 |
【図】「ミュージカル(洋画)」を好む人の「普段鑑賞する同伴者」 |
◆女性は各年代で誰と劇場にいくのか
女性を年代別に見てみると「普段鑑賞する同伴者」について、15-19歳では「友人と」、20代では「恋人・気になる異性と」、30代では「自分と子供だけで」に特徴があります。また、30代は20代までと比べて「夫婦のみで」の割合が高まっていることが確認できます。ライフステージの変化によって時間を共有する相手が変わっていくということをよく表しています。
このように、感覚的に理解していることを”具体的なデータ”で再確認することが重要です。
【図】女性年代別の「普段鑑賞する同伴者」 |
◆女性30代をターゲットとしたミュージカル映画をやるなら
もしも ”大人向けのミュージカル映画をやるなら” という視点で考えてみます。例えば女性30代をメインターゲットとして考えると、これまでのミュージカル映画の「一人で」「友人と2人で」「友人と3人以上のグループで」劇場に行くという鑑賞スタイルは、彼女らのライフスタイルには少々合わないかもしれません。
女性15-19歳や20代に比べて30代に多い「夫婦のみで」劇場に行く鑑賞スタイルはどういったトレンドになっているのでしょうか。「夫婦のみで」劇場に行く方の割合は、全体でみると直近4年間では微減の傾向が確認できます。
【図】「普段鑑賞する同伴者」の直近4年間の推移 |
さらにミュージカル映画にセグメントを限定すると「夫婦のみで」劇場に行く割合はより減少傾向が見られます。
【図】ミュージカル(洋画)を好む人の「普段鑑賞する同伴者」の直近4年間の推移 |
ミュージカル映画を「夫婦のみで」劇場に行く割合の低下は、相対的に15-19歳や20代女性のミュージカル映画ファンが増加していることが原因ということも考えられます。
一方で、夫婦や家族と映画に行きたいミュージカル映画が好きな30代女性にとっては「ミュージカル映画は気になる。でも夫婦や家族で見に行く感じではないかも。」というような受け皿がない状態になっているのかもしれません。
もしかしたら、これまでのミュージカル映画とは違った「夫婦で見たくなる大人なデート映画としてのミュージカル映画」という潜在的ニーズが存在しているかもしれない、といった仮説を立てることもできます。
以上のように『GEM映画白書オンライン』には映画鑑賞者に関する様々なデータが盛りこまれ、映画・映像ビジネスを考えるうえで必要な情報に素早くアクセスすることができます。
■調査概要
【調査方法】インターネットアンケート
【調査対象】全国に住む15~69歳の男女
【調査実施日】2018年1月20日(土)~1月21日(日)
【回答者数】10,094人(うち映画劇場鑑賞者※3,199人分)
【数値の重みづけ】総務省発表の人口統計、CATS参加率を参考に各調査者を性年代・映画鑑賞頻度別に重みづけ
※映画劇場鑑賞者:過去1年間に映画を映画館で1本以上見た人
この調査に関するレポートの詳細と購入方法
上記の調査結果を含む「GEM映画白書オンライン」の購入や、価格など詳しい説明をご覧になりたい方は下記のページをご覧ください。
本調査に関するお問い合わせ先
-
GEM Partners(ジェムパートナーズ)株式会社
担当:三國谷・坂井
電話:03-6303-1346 (平日10:00~19:00)
メールアドレス:info@gempartners.com
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