第5回:映画館は「回復期」から「進化期」へ~体験価値を上げる設備と代替コンテンツ~
公開日: 2023/03/10
2022年12月、タイのバンコクで開催されたアジアの映画興行・配給事業者向けコンベンション「CineAsia(シネアジア)」より、APAC(アジア太平洋)地域の状況について、各国の配給、劇場業界のベテランが議論を交わした座談会「Executive Roundtable—Special Focus on the APAC Region」の模様をレポートします。
ランス・パウ(Rance Pow)
アーティザン・ゲートウェイ(Artisan Gateway):創始者兼CEO
パネリスト:
デヴァン・サムパット(Devang Sampat)
シネポリス・インディア(Cinepolis India):CEO
マーク・ショー(Mark Shaw)
ショー・シアターズ(Shaw Theatres):ディレクター
メイ・リー・コー(Mei Lee Koh)
ゴールデン・スクリーン・シネマズ(Golden Screen Cinemas):CEO
ユージーン・ヤン(Eugene Yang)
パラマウント・ピクチャーズ・インターナショナル(Paramount Pictures International):APAC配給&マーケティング部門シニアバイスプレジデント
スーピー・ラサナモンコルマス(Soupy Rathanamongkolmas)
ユニバーサル・ピクチャーズ・インターナショナル(Universal Pictures International):南アジア担当バイスプレジデント
最終回となる連載特集第5回は、映画館に観客を呼び込むための付加価値の必要性に言及。食事や飲み物、建築、雰囲気などにおけるプレミアム体験演出とともに、タレント誘致や特別イベント、代替コンテンツを充実させることが重要となりそうです。
※本記事で触れられている内容は2022年12月時点の情報です
映画館の仕事は「体験」を演出すること
モデレーター
多様な作品の潤沢な供給は、まちがいなく興行ビジネス回復の助けになります。では、映画館への動員を増やすためには、他にどのような工夫が必要なのでしょうか? 近い将来、代替コンテンツなども必要になりますか?
マーク・ショー(ショー・シアターズ)
もちろん、スクリーンと言うメニューに並ぶ品数が多いことはありがたいです。同時に、私たち興行側の仕事は、「体験」を演出することです。家で観るのとは違う体験を提供すること。それは車にも搭載できるドルビーサラウンドといったものではなく、映画館でしか得られない何かです。
ユージーン・ヤン(パラマウント・ピクチャーズ・インターナショナル)
映画館ならではの特別な体験を演出するために、ハードウェアやコンテンツ、宣伝方法などさまざまな面での強化が必要ですが、配給会社ができる最大のことは、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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