第4回:ウェブトゥーンを書籍化? フォーマット別の魅力を分析~パネル「Vertical to Horizontal」(後編)
公開日: 2023/09/29
米ロサンゼルスで行われた「Anime Expo」(開催期間:7月1日~4日)にて、縦スクロール・フォーマットでマンガ界に革命を起こしたウェブトゥーンの歴史と、同フォーマットならではのストーリーテリング、書籍化する際の工夫などについて、WEBTOON Entertainment とTokyoPop、Yen and Ize Pressのクリエイターや編集者が語ったパネルディスカッション「Vertical to Horizontal: Webtoon Storytelling, from Screen to Page」の模様をレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年7月時点の情報です
デブ・アオキ(Deb Aoki)
マンガスプレイニング&パブリッシャーズ・ウィークリー(Mangasplaining and Publishers Weekly)
パネリスト
デビッド・リー(David Lee)
WEBTOON Entertainment:コンテンツ責任者
ジュユン・リー(JuYoun Lee)
Yen and Ize Press:副出版人兼編集長
カエ・ウィンタース(Kae Winters)
TokyoPop:マーケティング部長
第4回は、ウェブトゥーンと書籍それぞれの魅力と、ウェブトゥーンを書籍化する際の工夫について、具体的なタイトルの例とともに語られた様子をお届けします。
- 作品の制作体制や規模が多様化
- 『ロア・オリンポス』はウェブトゥーンの申し子
- ウェブトゥーンの書籍化には特徴を考慮した工夫が必要
- ウェブトゥーン読者は異なる体験を味わえる書籍にも興味
- 登場人物の感情に没頭できる縦スクロール
左からWEBTOONのデビッド・リー氏、Yen and Ize Pressのジュユン・リー氏、モデレーターのデブ・アオキ氏、TokyoPopのカエ・ウィンタース氏
作品の制作体制や規模が多様化
ウェブトゥーンの発展とともに、その作品の規模や制作体制は多様化しています。パネリストたちは、Naverなどのテクノロジー会社がマンガ分野に投資した結果、新しいクリエイターやインディペンデント作家がどんどん登場し、多くの人がコミックを読むようになり、さらにコンテンツ需要が高まっている状況だと語りました。一方で、米国のアニメーション・スタジオのように、作画家、イラストレーター、彩色家がビジュアル部分を分担し、ライターが集まってストーリーを描くというように、分業制で1つのタイトルに多くの人が携わるようなスタジオ作品も増えたといいます。
『ロア・オリンポス』はウェブトゥーンの申し子
作品の制作側のみならず、読者も多様化しています。WEBTOON Entertainmentのデビッド・リー氏は、マンガやコミックの楽しみ方が国や文化によって異なるなか、固定のスタイルにとらわれずに楽しめるウェブトゥーンとして、ギリシャ神話を題材としたレイチェル・スマイスの『ロア・オリンポス』を挙げました。「アジアでのマンガの読み方、米国でのコミックの読み方は、それぞれに特殊です。そうしたなか、レイチェルの作品は、どのスタイルにもとらわれないものでした。まず、InstagramやTumblrで映えるカラフルで魅力的なイラストが特徴的で、一見、それが物語に発展するものとは思いもしないもの。その意外性も功を奏し、オンライン・コミック市場を代表する作品となり、書籍化された出版物としてもベストセラーになりました」。
さらに、紙でもウェブでも、どの時代やどの国でも、大事なのはストーリーテリングの質だと強調するデビッド氏。「誰にでも、惹きつけられるキャラクターを見たい、そのキャラが成功したり失敗したりするのを見たいという欲求があります。『ロア・オリンポス』は、おなじみのギリシャ神話を下敷きに、素晴らしいキャラ作りをし、その欲求にうまく応えているのです」。
ウェブトゥーンの書籍化には特徴を考慮した工夫が必要
そして話題は、ウェブトゥーンと書籍、それぞれの魅力は何か? ということに移りました。さらに、ウェブトゥーンを書籍化する際、その違いを考慮したうえでの工夫が必要であることが明かされました。
Yen and Ize Pressのジュユン氏は、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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