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熱が続く夏のヒット作
公開日: 2016/08/26

2016年8月26日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された記事の転載です。
(C)2016 TOHO CO.,LTD.

(C)2016 TOHO CO.,LTD.『シン・ゴジラ』 2016年7月29日公開


<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(20、21日)>

1. (1)

ペット

(2週目)

2. (2)

シン・ゴジラ

(4週目)

3. (ー)

青空エール

(1週目)

4. (ー)

ゴーストバスターズ

(1週目)

5. (3)

ファインディング・ドリー

(6週目)

6. (5)

ジャングル・ブック

(2週目)

7. (4)

ONE PIECE FILM GOLD

(5週目)

8. (ー)

傷物語<Ⅱ熱血篇(へん)>

(1週目)

9. (7)

ルドルフとイッパイアッテナ

(3週目)

10.(8)

劇場版 仮面ライダーゴースト/動物戦隊ジュウオウジャー

(3週目)

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

 

熱が続く夏のヒット作

8月の最後の週末を迎え、 夏休みも終わり。夏興行を制したと言えるのは、公開前から“本命視”されていたディズニーアニメの人気シリーズの続編「ファインディング・ドリー」と、公開後大きな話題になっている「シン・ゴジラ」だった。マーケティングデータから、両作品を鑑賞したいと考える人の特徴をみてみよう。


「ドリー」は公開後にも「ディズニー映画好き」を中心とした10~40代女性の鑑賞の意向が高く推移していて、ディズニーのブランド力に裏打ちされた、安定感のある興行展開となっている。

 
(C)2016 TOHO CO.,LTD.

(C)2016 TOHO CO.,LTD.『シン・ゴジラ』 2016年7月29日公開


一方の「ゴジラ」は一貫して男性全般、特に高めの年齢層が中心。映画鑑賞に当たっては、積極的に情報を収集するなど、前のめりな行動をとる人の意欲度が高い。また公開後、週を追うごとに映画館で年間1~2本鑑賞する「ライト層」、あるいは3~5本程度の「ミドル層」の意欲度が高まっている。話題の喚起、口コミの効果がうかがえる。両作品が共にヒットした要因には、意欲層があまり重ならなかったことも挙げられるだろう。


「ドリー」は現時点で興行収入が60億円を超えている。「ゴジラ」も40億円を超え、前週と比べて動員数の下落率も低めの「腰の強い」興行展開となっている。両作品とも、最終興行収入は70億円級と見込まれる。実りの秋を前に、夏のヒット作の熱はもう少し続きそうだ。

 

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

 

◆掲載元◆
毎日新聞: シネマの週末・データで読解 「熱が続く夏のヒット作」 (毎日新聞2016年8月26日 東京夕刊)