ワーナー・プレゼンテーション<CinemaCon 2023>~「映画体験に勝るものはない」、劇場ウインドウ重視を明言
公開日: 2023/04/28
米ラスベガスにて開催されている世界中の興行会社と配給会社が集まるコンベンション「CinemaCon(シネマコン)2023」(開催期間:2023年4月24日~27日)から、ハリウッドスタジオが全米・世界各国から集まった興行関係者に向けて行うラインナップ・プレゼンテーションの内容をレポート。第2回はワーナー・ブラザースによるプレゼンテーションです。
開催場所:ザ・コロシアム(ホテル「シーザーズ・パレス」内)
登壇者(登壇順)
ジェフ・ゴールドスタイン(President, Domestic Distribution, Warner Bros. Picture Group)
アンドリュー・クリップス(President, International Distribution, Warner Bros. Picture Group)
デビッド・ザスラフ(President & CEO, Warner Bros. Discovery)
マイケル・デ・ルカ(Co-Chair and CEO, Warner Bros. Pictures Group)
パメラ・アブディ(Co-Chair and CEO, Warner Bros. Pictures Group)
ピーター・サフラン(Co-chairman & CEO, DC Studios)
劇場ウインドウ重視/新DCユニバースは2024年開始
「映画体験に勝るものはない」
ワーナー・ブラザースは同社創立100周年を記念し、「The Big Picture」と題したプレゼンテーションを実施。トップバッターとして登壇したのは、米国内、国外配給トップの2人、ジェフ・ゴールドスタイン氏(President, Domestic Distribution, Warner Bros. Picture Group)とアンドリュー・クリップス氏(President, International Distribution, Warner Bros. Picture Group)。2人は7月に北米公開が控える『バービー』になぞらえて、ピンクのスーツを着て登場しました。
ゴールドスタイン氏は「100周年を迎えるにあたり、興行主に感謝します。 我々は劇場公開を非常に重視しており、現在ヒット公開中の”Evil Dead Rise“はストリーミングから劇場公開に切り替えました。観客はホラー映画を見て映画館で叫ぶのが大好きなのです」と映画体験に勝るものはないことを強調。続いて、クリップス氏より「MGM作品は北米以外の配給をワーナーが行っており、『クリード 過去の逆襲』がヒット中です。また、現在ヒット公開中のAmazon製作の『AIR/エア』もワーナーが公開しています」と海外の配給状況の説明がありました。
劇場ウインドウ重視を明言
100周年記念動画の上映後、デビッド・ザスラフ氏(President & CEO, Warner Bros. Discovery)が登壇し、「素晴らしい作品群を今回のシネマコンに向けて準備してきました。CEOに就任してから各部門のチームを立ち上げました。MGM出身のマイケル・デ・ルカ、パメラ・アブディが率いることになります。ワーナー映画のキーワードは"courage(勇気)"です。映画ビジネスにはリスクがありますが、だからこそcourageが必要なのです」と意気込みをみせました。
自社の動画配信サービス“Max”との関係については、「映画はフルのウインドウ適用が良いと考えています。配信ストレートで提供したいとは思っていません。また、映画を“Max”に急いで提供しようとは思っていません」と劇場ウインドウ重視を明言。その背景として、劇場公開を行った作品の方が、配信ストレートで提供した作品よりも、配信で見られていることを挙げ、「映画を映画館で公開すると、まずそれ自体が大きな収益機会となります。そして大事なこととして、その作品のマーケティング活動が行われることです。劇場公開された作品は配信サービスで提供されるときに『このタイトルは質が高い』と思われ、配信サービスにも利益をもたらす」と考えを表明しました。
最後に、「ワーナーはストーリーテリングのビジネスをやってます。そして劇場でのストーリーテリングが最も力強いのです」との考えを示し、皆が一緒になれる体験としての劇場鑑賞の価値について言及しました。
続いて、マイケル・デ・ルカ氏(Co-Chair and CEO, Warner Bros. Pictures Group)とパメラ・アブディ氏(Co-Chair and CEO, Warner Bros. Pictures Group)が登壇し、映画はスターを生み出し、文化にインパクトを与えるイベントであることの価値を改めて訴えたほか、ザスラフCEOに感謝を述べるとともに、求められている基準は高いと打ち明けました。
新たなDCユニバースは2024年開始
ピーター・サフラン氏(Co-chairman & CEO, DC Studios)は、DC Studiosの共同会長兼CEOであるジェームズ・ガン氏からのビデオメッセージを紹介し、……(以下、会員限定記事にて掲載)
※本記事はGEM Standard会員様限定となります。
新規登録(無料)いただくと閲覧いただけます。
新着記事
-
Prime Video、Netflix、U-NEXTほか25年上半期サービス横断調査、首位はアニメ『薬屋のひとりごと』、実写1位は『イカゲーム』
(2025/07/04) -
『薬屋のひとりごと』推しファン人数記録更新、『Snow Man』推しエンタメブランド価値2カ月連続で1位~2025年6月エンタメブランド調査結果
(2025/06/25) -
映画産業の発展を技術・AIが後押しする可能性~映画とAI活用の現在地
(2025/06/20) -
『8番出口』『国宝』はじめ、カンヌ国際映画祭上映作品の話題度・浸透度
(2025/06/13) -
キャストとドラマの関係を可視化、『本田響矢』放送後に推しファン増加~4月ドラマのヒット分析【後編】
(2025/06/06)
新着ランキング
-
音楽アーティスト リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/07/03) -
マンガ リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/07/03) -
映像 リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/07/03) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2025/07/03) -
メディア横断リーチpt 急上昇TOP10【最新週】
(2025/07/03)
アクセスランキング
(過去30日間)
-
動画配信の国内市場規模は5,930億円(24年、前年比3.3%増)、2029年には7,873億円規模へ
(2025/02/28) -
『8番出口』『国宝』はじめ、カンヌ国際映画祭上映作品の話題度・浸透度
(2025/06/13) -
2024年の定額制動画配信市場は推計5,262億円、U-NEXTがシェア最大の伸び、6年連続首位のNetflixに迫る
(2025/02/25) -
定額制動画配信サービス 週間リーチptランキングTOP20【最新週】
(2025/07/03) - ランキング ジャンル別一覧
-
「映画館離れ」と「映画離れ」の今
(2024/10/04) -
U-NEXTがシェア拡大し5年連続首位のNetflixに迫る、成長続く定額制動画配信市場は5,000億円超え(前年比12.1%増)
(2024/02/16) -
プロ野球の球団人気は成績に左右されるのか、推しファン人数セパ最多『阪神』『日本ハム』ほか球団別に分析
(2025/04/28) -
ファン熱量の『最後から二番目の恋』、キャストパワーの『キャスター』~4月ドラマのヒット分析【前編】
(2025/06/06) -
映像 リーチpt 週間TOP10【最新週】
(2025/07/03)