第2回:ハリウッド映画の存在感と存在価値の現在~特集:アジア映画市場発展の条件
公開日: 2024/02/02
タイのバンコクで開催されたアジアの映画興行・配給事業者向けコンベンション「CineAsia(シネアジア)」(開催期間:2023年12月4日~7日)より、APAC(アジア太平洋)地域の現状と今後の課題について、配給、興行業界のベテランが議論を交わした座談会「Executive Roundtable」の模様をレポート。第2回は、ベトナムやインド、インドネシアでローカル/リージョナル作品が好調であること、それに対するハリウッドの視点が語られました。
※本記事で触れられている内容は2023年12月時点の情報です
ランス・パウ(Rance Pow)
アーティザン・ゲートウェイ(Artisan Gateway):創業者兼CEO
スピーカー
■配給側
カート・リーダー(Kurt Rieder)
ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ(Warner Bros. Pictures):APAC劇場配給部門シニアバイスプレジデント
ブレット・ホッグ(Brett Hogg)
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(Sony Pictures Entertainment):国際配給部門エグゼクティブバイスプレジデント
■興行側
グエン・ティ・マイ・ホア(Nguyen Thi Mai Hoa)
ギャラクシー・スタジオ(Galaxy Studios):CEO
ハビエル・ソトマイヨール(Javier Sotomayor)
シネポリス(Cinépolis):アジア&中東地域管轄ディレクター
- ベトナムでは自国映画の興収シェアが前年比15pt増の44%
- ベトナムの映画館は家庭外の集いの場
- インドネシア&インドでローカル映画が好調
- ハリウッドもローカル・コンテンツに期待
- 国境を越える作品を作るのはスタジオの責任
ベトナムでは自国映画の興収シェアが前年比15pt増の44%
ギャラクシー・スタジオのグエン・ティ・マイ・ホア氏は、ベトナムの状況を共有。「2023年のベトナムの興行収入はパンデミック以前の93%程度まで戻る見込みです。ローカル映画やその他のアジア・コンテンツが大きく貢献しており、同年の10カ月間におけるベトナム映画の貢献割合は前年比15pt増の44%、タイや韓国、日本などのアジア・コンテンツもかなり成長しています。ベトナムの観客は、依然として映画館で大作を見たいと思っています。前述したように消費者行動が変わっており、レビューやいろいろな情報を待ってから映画を選ぶようになっていますが、ホームシアターの存在は、興行成績に大きな影響を与えるほどではありません。人々は、良い映画であれば映画館に出向き、そうでもない映画なら家でも観ずに、映画鑑賞以外のことをするだけです」。
ベトナムの映画館は家庭外の集いの場
また、ベトナムではパンデミック後、映画館が家庭外での集いの場になっているというホア氏。「人々は子どもや家族連れで映画館にやってきます。皆、誰かと時間を共有したいと思っているのです。ローカル映画の規模が大きくなっているのは、内容やクオリティ、ストーリーの親和性が文化的に高く、何らかのかたちで人と人をつなげるものだから。映画館で上映される映画のほとんどは、若い世代が家族や両親を連れて一緒に映画を見ることができるファミリー映画です」。
ホア氏によれば、ベトナムでは2023年の興行TOP10に自国映画が6本ランクインし、『マイ・エレメント』『ドラえもん のび太と空の理想郷』『名探偵コナン 黒鉄の魚影』といったアニメーション映画も好調。「『名探偵コナン』や『ドラえもん』などの日本のアニメ映画は、パンデミック前は100万ドル行くかどうかというところでしたが、2023年は400万~500万ドルの興行収入を記録しそうです」。
インドネシア&インドでローカル映画が好調
シネポリスのハビエル・ソトマイヨール氏は、インドネシアでもローカル/リージョナル映画が好調だとコメント。「パンデミック以前はローカル・コンテンツの割合が30%でしたが、……(以下、会員限定記事にて掲載)
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