映画館の今後の再活性化につながる「鬼滅の刃」の物語体験と感動の記憶
公開日: 2020/11/27
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中
© 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(21、22日)>
| 1.(1) | 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 | 6週目 |
| 2.(NEW) | STAND BY ME ドラえもん 2 | 1週目 |
| 3.(2) | ドクター・デスの遺産 -BLACK FILE- | 2週目 |
| 4.(3) | 罪の声 | 4週目 |
| 5.(8) | 羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 | 3週目 |
| 6.(4) | 魔女見習いをさがして | 2週目 |
| 7.(5) | 映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日 | 4週目 |
| 8.(6) | きみの瞳が問いかけている | 5週目 |
| 9.(7) | 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン | 10週目 |
| 10.(10) | 映画 パウ・パトロール カーレース大作戦 GO! GO! | 2週目 |
※()の数字は前週順位。興行通信社調べ
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は6週連続首位、先週末も土日2日間で興行収入10億円を超え、今週中に歴代興収2位の『タイタニック』の記録262億円を抜くと見られている。1位の『千と千尋の神隠し』の308億円を超えるのは時間の問題といえよう。
映画『鬼滅の刃』がヒットしたというより、多くの人々の心をつかんでいる「鬼滅の刃」の物語を体験しに、映画館にもたくさんの人が足を運んでいると見た方が正しい。興収やランキングなどのような数値で示しにくいが、原作漫画、アニメ放送・動画配信、コラボキャンペーン、グッズ販売などすべてが大ヒットしているからだ。(参照「「鬼滅の刃」コンテンツ接触者の重なり」)
落ち込んでいた映画興行の復興の起爆剤になったことも間違いない。11月上旬に実施した調査では、映画館が営業を再開してから来た人のうち、本作を鑑賞した割合は41%、本作が初めてという割合も26%である。映画業界にとって直近の収益はもちろん大事だが、習慣性のある消費行動である映画鑑賞からしばらく遠ざかっていた人が再び足を運び、劇場での映画鑑賞を体験したことに価値がある。(参照「映画館の営業再開後に観た作品」)
感染者の増加を含めて先行き不透明な状況が続く中、映画館で「鬼滅の刃」の物語を体験し感動したその記憶が、今後公開される作品を見に来る人々の背中を押すからである。
(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載
◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『次に続く物語の共有体験』(毎日新聞2020年11月27日 東京夕刊)
【調査対象】全国に住む15-69歳の男女(年間0本鑑賞者も含む)
【調査実施日】第8回:2020年11月7日(土)~2020年11月13日(月)
【回収サンプル】スクリーニング調査:4,014サンプル/本調査:986サンプル
【数値重みづけ】総務省発表の人口統計、弊社実施調査を参考に回答者を性年代・映画鑑賞頻度別に重みづけ
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