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第5回:若年層を如何に動員するか~『トップガン マーヴェリック』の事例
公開日: 2023/08/09

特集:ハリウッドのトップマーケッター集結、ヒットの裏にある戦略を語る 第5回
Entertainment Marketing Leaders Roundtable

米ハリウッドで4月に開催された「Variety Entertainment Marketing Summit」にて、パネルディスカッション「Entertainment Marketing Leaders Roundtable」を実施。パラマウント、ワーナー、ユニバーサル、ネオンからマーケティング責任者が登壇したほか、TikTokの北米代表も出席しました。映画のマーケティング方針や最新の戦略、成功事例を共有し合ったディスカッションの模様を5回に分けてレポートします。
※本記事で触れられている内容は2023年4月時点の情報です

モデレーター
クラウディア・エラー(Claudia Eller)
バラエティ(Variety):最高プロダクション責任者

パネリスト
マーク・ワインストック(Marc Weinstock)
パラマウント・ピクチャーズ(Paramount Pictures):世界マーケティング&配給部門代表

カレン・ブロンゾ(Karen Bronzo)
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(Warner Bros. Discovery):最高マーケティング責任者

ドワイト・ケインズ(Dwight Caines)
ユニバーサル・ピクチャーズ(Universal Pictures):米国マーケティング部門代表

クリスチャン・パークス(Christian Parkes)
ネオン(Neon):最高マーケティング責任者

キャサリン・ハラビー(Catherine Halaby)
TikTok:北米エンタテインメント部門代表

第5回では、携帯端末に釘付けである若者の動員に各社が苦労するなか、『トップガン マーヴェリック』が若者へのアプローチに成功し、ヒットを記録したこと、その裏にはTikTokを活用したマーケティング施策があったことなどについて、TikTokの北米エンタテインメント部門代表のキャサリン・ハラビー氏と、パラマウント・ピクチャーズのマーク・ワインストック氏が背景を明かします。

《目次》

 

 

インフルエンサーを起用した若年層へのアプローチ

『トップガン マーヴェリック』をヒットさせたパラマウントは、当初、35歳以下の観客を動員できるか心配していたことを、モデレーターが明かしました。この“暴露”にパラマウントのワインストック氏は、「公にしてほしくない内輪話だったのに」と冗談めかしつつ、その詳細を語りました。「同作は私にとって、自分の幼少期を思い出させるような映画で、取り組むのが楽しみで仕方ありませんでした。実際に作品を観たら、『わぁ!この映画を観た人は、みんな気に入るだろう』と思いました。ところが、マーケティングを始めた当初は、35歳以下の人々が、 『これは父親世代の映画だ。そういう作品があるって、とてもいいことだよね』と言い出したのです。私が、『いや、これは君たち向けだよ』と言っても、『いや、きっと父さんが見たがるよ』という感じでした」。

そこでワインストック氏のチームは、同作の舞台でもある米カリフォルニア州サンディエゴにある、空母を改造して作られたミッドウェイ博物館での大規模プレミアに、TikTokクリエイターを含む何十人ものインフルエンサーを招待。「彼らは皆、映画を気に入ってくれて、『おお、これは思ったよりずっといい!』、『なんてこった!実際に観るまで想像できないと思うけど、この映画は最高だよ』というように投稿してくれたのです。すると、他のクリエイターたちが、『なんで彼らだけが呼ばれたんだ?』と嫉妬しました。そこで、『君たちも見たい?上映会をセッティングするよ』ということで、試写会イベントを続けていきました。同作のような素晴らしい映画の場合、試写会を中心にキャンペーンを展開することで若い観客を獲得することができます。もちろん、TwitchやTikTokにも出稿し、一度、話題になったら、マーケティングを加速させていくのです」。

@paramountpics Hold Our Hand and come with us to the Global Premiere of Top Gun: Maverick ✈️ #TopGun ♬ Hold My Hand - Lady Gaga
 

ユーザー主導で生まれた#TellerTokとは?

ここでTikTokのハラビー氏が、本作にまつわるTikTok現象に言及しました。「TikTok上では、ハッシュタグ・チャレンジから始まり、待望の大規模プレミア、そして、マイルズ・テラーのファンたちによる#TellerTok現象へと続きました。本作はとてもいい映画で、オリジナル版を観ていなくても十分続編を楽しめるのですが、……(以下、会員限定記事にて掲載)

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