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『竜とそばかすの姫』の大ヒットまでの軌跡と意義を考える
公開日: 2021/07/30

2021年7月30日付毎日新聞夕刊映画欄において掲載された「シネマの週末・データで読解 『この夏の代表作が誕生』」の転載に、補足を加えています。
『竜とそばかすの姫』

『竜とそばかすの姫』公開中
©2021 スタジオ地図

<シネマの週末・データで読解:週末興行成績(24、25日)>

1.(1) 竜とそばかすの姫 2週目
2.(2) 東京リベンジャーズ 3週目
3.(NEW) セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記 1週目
4.(4) ハニーレモンソーダ 3週目
5.(3) ゴジラvsコング 4週目
6.(5) ブラック・ウィドウ 3週目
7.(-) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 41週目
8.(8) るろうに剣心 最終章 The Beginning 8週目
9.(NEW) とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー 1週目
10.(7) キャラクター 7週目

※()の数字は前週順位。興行通信社調べ

細田守監督作品『竜とそばかすの姫』は2週目も1位をキープし、累計興行収入は24億円を超えた。細田監督の最高興収を記録した『バケモノの子』(最終58.5億円)を少し上回るペースであり、この夏の代表作となることはもちろん、監督の新記録となりそうだ。

データを見ると、『バケモノの子』と同様に男女10代、20代の鑑賞意欲度が高め。男女の意欲度は『バケモノの子』では同レベルだったが、本作は女性がやや高め。かなり早い段階からテレビ、ネットで宣伝を展開して作品の認知度・意欲度を高め、公開直前、公開後も過去作品をはるかに上回る大量の宣伝が行われている。作品提供側もメディアも一体となって、何としてもヒットさせようという決意が感じられる多さだ。

浸透度とテレビ露出量の推移

コロナ禍以降、映画参加者人口は減少したままで、劇場の動員もコロナ前を下回る水準が続いている。産業の復興のためにはコロナ禍の収束とともに、作品の供給とヒットさせるための資本の投下が必要だ。

映画参加者人口 月次推移(CATS調査より)

日本に限らず感染拡大状況は予断を許さず、消費者のマインドと作品供給側の判断も流動的だ。そんな中で人気監督の新記録となりそうな大ヒット作が生まれたことは、映画ファン、産業双方にとって明るいニュースである。

どのような状態になったら映画館に行くことに対して前向きになれるか

(GEM Partners代表、梅津文)=毎月最終金曜日掲載

◆掲載元◆
毎日新聞:シネマの週末・データで読解 『この夏の代表作が誕生』(毎日新聞2021年7月30日 東京夕刊)

今回の調査結果について
今回の調査結果は、映画製作・興行・配給・宣伝向け分析サービス「CATS(Cinema Analytical Tracking Survey)」、および「新型コロナウイルスの影響トラッキング調査」の調査結果を基にしています。

CATS(Cinema Analytical Tracking Survey)」を基にした商品には、劇場公開映画の宣伝状況を俯瞰する業界スタンダード・レポート「CATS 市場概況レポート+(プラス)」や、作品別に目標目安値とターゲットを設定し、劇場公開前の作品について詳細に宣伝状況を把握できる「CATS 作品別詳細オンライン」などがございます。CATSデータの部分販売も可能ですので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
新型コロナウイルスの影響トラッキング調査」は、2020年4月末から継続的に実施している新型コロナウイルス流行下でのエンタテイメント消費行動に関する調査です。GEM Standard会員様に無償にて配布しておりますので、これを機会にぜひご登録のうえ、ご覧ください。