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ファンダンゴの「デジタルエコシステム」創造と既存顧客ベースの「映画ファン向けEC」
公開日: 2017/09/15

【連載】狙い通り!モバイル時代のターゲットプロモーション(2)

この連載は、2017年春に、ロサンゼルスで開催された米バラエティ誌主催の映像業界関係者向けのカンファレンス”MASSIVE The Entertainment Marketing Summit”において、デジタルマーケティングのトップやプラットフォームパートナーたちが、モバイルメディアでのマーケティングコミュニケーションの事例を語ったセッションレポートです。スピーカーやセッションの概要は、連載1回目「モバイル時代にヤフーが唱える「コミュニテインメント」」をご覧ください。

 


大きな成長が見込まれるモバイル。eコマースショップ(EC)においてはどう向き合っているのでしょうか。ファンダンゴ(Fandango)の事例をお伝えします。
 

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ジオロケーションも活用、事前認知に基づく映画ファンへのサービス提供「デジタル生態系」

マーク・ヤング(ファンダンゴ)

ファンダンゴでは、「デジタル生態系」と呼ぶものを構築しています。 シアターおよびホームエンターテインメントによる、事前認知に基づく映画ファンへのサービス提供です。消費者と我々のビジネスのエンゲージメントを醸成するタッチポイントは多数あり、広告主にとっても同様です。彼らもモバイルを大きな成長が見込まれるエリアであると考えています。

我々は2008年という早い時期からモバイルを活用してきました。我々とのパートナーシップで、モバイル活用のメリットを理解してくださった最初の顧客の一社がソニーでした。現在、iOSとアンドロイドを合計して1億1000万ダウンロードの利用があります。

スケール面から言って、我々は独自のサービスを提供しており、また、ジオロケーションサービス(ユーザの位置情報を扱う技術を使ったサービス)の併用により、ショータイムのユーザーの位置を把握し、映画の嗜好も理解しています。もちろん、すべてご本人の許可を得ています。

私はデジタル生態系の最後にくるのがeコマースなのだと考えています。我々は事前認知の観点から映画の観客を捉えてきました。最初の予告編が公開され、ワクワク感が高まったところでイベント化すると、実際に該当映画を観に行くところまで需要曲線が上昇します。
 

特定の切り口でオススメ商品を提案、最初のタッチポイントからライフサイクルを通じて役に立つサービスを提供する

マーク・ヤング(ファンダンゴ)

我々のプランニングには、熱心なファン層というか、特定の興味・関心を持つアフィニティ層に対するサービス提供という点で弱みがあるのを自覚していました。現在我々が取り組んでいるのは、あるブランドから特定の切り口でお勧め商品を提案する「ファンダンゴ・ファン・ショップ(FandangoFanShop)」というサービスです。『Guardians of the Galaxy』、『ワンダーウーマン』、『怪盗グルー』シリーズ第3弾の、3作品でまもなく導入することになっています。

これは、映画の最初のタッチポイントからライフサイクルを通じて消費者の役に立つサービスを提供するというコンセプトを、まさに具現化するものだと自負しています。さらに付け加えると、そういったサービス自体にも、勧められる商品と同等の満足度があることは想像に難くないと思います。

 

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狙い通り!モバイル時代のターゲットプロモーション