ソニー:劇場重視の姿勢とアニメ含めたラインナップの多様性をアピール<CinemaCon2025 スタジオプレゼンテーション>
公開日: 2025/04/16
2025年3月31日から4日間にわたり、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集では各スタジオによる今後のラインナッププレゼンテーションをレポート。第1回は3月31日(月)18:30から開催されたソニー・ピクチャーズ エンタテインメントのプレゼンテーションです。
※本記事で触れられている内容は2025年4月時点の情報です。
ソニー・ピクチャーズは3月31日(月)夜、CinemaCon2025で開催されるスタジオラインナッププレゼンテーションのトップバッターを務めました。トム・ロスマン氏(Chairman:Sony Pictures Entertainment)が登壇し、映画チケットの割引デーの設定を提唱するとともに、ウィンドウについては興行会社と協力する旨を表明しました。そして、ソニーは「映画とは、映画館で観るもの」として捉えており、「リアルな映画体験」とは、映画と映画館が一体となって初めて成立するとの考えを示し、劇場重視の姿勢を強調しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
そのほか、サンフォード・パニッチ氏(President:Sony Pictures Entertainment Motion Picture Group)、アダム・バーガーマン氏(President、Domestic Distribution:Sony Pictures Releasing) ジョシュ・グリーンスタイン氏(President:Sony Pictures Motion Picture Group)も登壇し、劇場重視の姿勢とともに、ウィンドウを重視すること、そして、幅広いラインナップを揃えていることをアピール。パニッチ氏はタイカ・ワイティティ監督らクリエイターによるラインナップ、『ジュマンジ』のようなIPベースの作品、『ベスト・キッド』といったオールターゲット作品と併せて、J・J・エイブラムスのBad Robotが製作を手掛ける山崎貴監督の新作 “Grandgear“の存在にも触れました。さらに、バーガーマン氏がソニーのラインナップの多様性をアピールする際に、『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』などの女性向けのロマンティックコメディ、そのほかホラー映画と併せて、アニメとして『鬼滅の刃』『チェンソーマン』や、細田守監督の作品をソニーが扱っていることに言及しました。
そして、今年のラインナッププレゼンテーションは、「偉大な映画監督が偉大な映画を作る」という考えのもと、監督が自らの映画を紹介する形式で実施。“28 Years Later(邦題『28年後...』)”のダニー・ボイル監督、“Caught Stealing”のダーレン・アロノフスキー監督、“The Beatles”のサム・メンデス監督らが登壇し作品を紹介しました。
ラインナップ発表
『スパイダーマン』シリーズの新作と、28年4月にビートルズ映画の4本一気公開を発表
※作品は、プレゼンテーション順ではなく、公開日順に記載
“Until Dawn”(北米公開:2025年4月25日)
“Karate Kid: Legends(邦題『ベスト・キッド:レジェンズ』)”(北米公開:2025年5月30日)
空手と太鼓の集団パフォーマンスを披露。1984年のオリジナル映画でダニエル・ラルーソを演じたラルフ・マッキオと、新シリーズで主役を務めるベン・ワンが登壇。ジャッキー・チェンが登場するフッテージ2本と、編集中の予告編を上映。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“28 Years Later(邦題『28年後...』)”(北米公開:2025年6月20日)
プロデューサー兼監督のダニー・ボイルが登壇。本作は、A24の『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のアレックス・ガーランドが脚本を担当するホラー・スリラーであると紹介しました。レイフ・ファインズ、ジョディ・カマー、アーロン・テイラー=ジョンソンが出演し、キリアン・マーフィーがエグゼクティブ・プロデューサーを務めることを共有。CinemaCon初だしの予告編第二弾を上映しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“I Know What You Did Last Summer”(北米公開:2025年7月18日)
“Caught stealing”(北米公開:2025年8月29日)
ダーレン・アロノフスキー監督が登場し、「ずっとやりたかった作品ですが、今までの自分の作品とは違うテイストで、すごく楽しい映画になっています」と紹介。舞台は90年代後半で、9.11以前のニューヨーク。ヒップホップが熱く、一番の脅威はY2K問題という時代で、オースティン・バトラー、レジーナ・キング、ゾーイ・クラヴィッツ、バッド・バニーという素晴らしいキャストが揃っていることをアピールし、予告編を上映しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“A Big Bold Beautiful Journey”(北米公開: 2025年9月19日)
コゴナダ監督が登壇。バービー以来の主演となるマーゴット・ロビーと、コリン・ファレルが出演する本作は、悔いのある過去を持つ2人が出会う設定と紹介しました。ティザー予告を上映。
“Anaconda”(北米公開: 2025年12月25日)
“Goat”(北米公開:2026年2月13日/Sony Animation)
タイリー・ディリヘイ監督が登壇。「どんなに小さい存在でも、大きなことを成し遂げられる」というメッセージを込めていると紹介。プロデューサーのステフィン・カリー氏のメッセージ動画を上映。
“The Breadwinner”(北米公開:2026年3月13日)
“Spider-Man: Brand New Day(邦題『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』)”(北米公開:2026年7月31日)
実写版スパイダーマンは、ソニー史上最高の興行収入を記録しましたが、今作はシリーズの「フレッシュなスタート」になるとアピール。引き続き主演を務めるトム・ホランドからのビデオメッセージを上映。
“Resident Evil”(北米公開:2026年9月18日)
『バイオハザード』シリーズ新作をザック・クレッガー監督が登壇し紹介。
“Jumanji新作”(北米公開:2026年12月11日)
“The Legend of Zelda”実写映画(北米公開:2027年3月26日)
同ゲームの生みの親であるクリエイターの宮本茂氏と、実写版『スパイダーマン』シリーズを手がけたプロデューサー、アビ・アラド氏がともに製作していることを共有。
“Spider-Man: Beyond the Spider-Verse(邦題『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』)”(北米公開: 2027年6月4日)
ボブ・ペルシケッティ監督とジャスティン・K・トンプソン監督、そして脚本のフィル・ロードが登壇し、「アニメーションの限界を打ち破り、前作よりもスケールが大きく、大胆になっている」とアピール。すべてのプレミアムラージフォーマットに対応していると発表しました。フッテージを上映。
“The Beatles - Four Films(仮題) ”(北米公開:2028年4月7日)
サム・メンデス監督が登壇し、本作を「4作品の映画的なイベント(“A four-film cinematic event”)」として紹介。「4人それぞれの映画を作ることになっています。物語ごとに多少重なりはありますが、それぞれの観点での物語になります。1年間撮影する予定で、まだ言えませんが、撮影の順番は決まっています」と共有。また、公開はすべて、2028年4月で、史上初の“Bingeable theatrical experience”(一気見映画体験)となると発表しました。「4人の映画を一気に語る、大きなシネマティックイベントにする予定です。公開月には、本作がカルチャーシーンを独占するでしょう」と表明。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
ビートルズメンバーのキャストとして、ポール・メスカル(ポール・マッカートニー役)、ジョセフ・クイン(ジョージ・ハリスン役)、バリー・コーガン(リンゴ・スター役)、ハリス・ディキンソン(ジョン・レノン役)が登場し、最後に「ビートルズのお辞儀」を披露しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“Klara and the Sun”
カズオ・イシグロ原作『クララとお日さま』を実写化。タイカ・ワイティティ監督、ジェナ・オルテガ主演。
“Grandgear”
山崎貴が監督、J・J・エイブラムスがプロデューサーとして参加し、Bad Robotが製作を務めると紹介。
“Starship Troopers”
『第9地区』のニール・ブロムカンプが監督を務めることを共有。
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