推しファンが着実に増加『&TEAM』、再加速の『BE:FIRST』『JO1』『INI』『ENHYPEN』~“サバ番”出身グループの推しファン動向分析
公開日: 2025/03/07
近年、推し活コンテンツとしてサバイバルオーディション番組、通称“サバ番”が高い人気を集めています。サバ番とは、オーディションに集まった練習生たちが、厳しいトレーニングと審査をくぐり抜け、最終的にデビューをつかむまでの成長とサバイバルの様子を、視聴者が応援や投票を通じて見守る番組です。直近ではアイドルグループ『timelesz』の追加メンバーを決める『timelesz project-AUDITION-』(Netflix)や、ラッパー/シンガーのちゃんみながプロデューサーを務め、1月11日にKアリーナ横浜にて有観客での最終審査を行った『No No Girls』(YouTube、Hulu)が話題を呼びました。
そこで今回、サバ番出身のボーイズ/ガールズグループに焦点を当て、推しファン人数の動向からブレイク、安定などのヒット度合を分析しました。
2024年ブレイクは『ME:I』『ILLIT』、推しファン人数も2万人以上獲得
下記は、2020年以降に日本と韓国で放送されたサバ番を通じてデビューしたグループのうち、彼らを推すファン(=推しファン)の人数が、直近1年間で月当たり平均1万人以上を集めたグループのランキングです。

2020年以降に“サバ番”からデビューしたグループで、最も推しファン人数を集めているのは、『THE FIRST』出身の『BE:FIRST』。続いて、『PRODUCE 101 JAPAN』出身の『JO1』、『Nizi Project』出身の『NiziU』が続きます。
次に、先に挙げたグループ直近2年間の人気変動について、推しファン人数の増加率から確認していきます。下記は、横軸に「直近1年(2024年3月~2025年2月)」と「その前の1年(2023年3月~2024年2月)」の推しファン人数からだした増加率を、縦軸に「直近1年」の平均推しファン人数をとった散布図です。縦横の点線はそれぞれ、比率100%のラインと月当り推しファン人数1万人のラインを表します。

各グループのポジションから、大きく3つの群に分かれました。それぞれの群はデビュー年がほぼ同じ年度のグループが近くに位置していることが分かります。増加率が高い右側に位置しているのは、『ME:I』『ILLIT』といった2024年にデビューしたグループ。デビュー直後で「その前の1年」の推しファンが少ないため、増加率が高くでることに注意が必要ですが、しっかりと2万人を超える推しファンを集め、ブレイクしたグループといえるでしょう。
一方、推しファン人数が多い散布図の上側には『BE:FIRST』や『JO1』など2020年~2021年にデビューしたグループ、その下側には『&TEAM』や『ZEROBASEONE』など2022年~2023年にデビューしたグループが、それぞれ位置しています。これら2つの群の違いは、デビュー年から現在までの活動年数の間に定着した推しファン人数の差によるものと考えられます。実際にはどのような変化があったのかを掘り下げてみます。
2年連続成長の『&TEAM』、安定感を増した『BE:FIRST』『JO1』『INI』『ENHYPEN』
先ほどの散布図の横軸(「直近1年平均」と「その前の1年平均」との比率)はそのままに、縦軸に「その前の1年平均」と「その前々の1年平均」との比率を置いた散布図が下記になります。

縦横の点線はそれぞれ、比率100%を表しており、交点を起点に右上は「直近1年」「その前の1年」の2期連続で推しファン人数が上昇、左下は逆に2期連続で推しファン人数が減少していることを示します。そして、右下は「直近1年」は増加したものの「その前の1年」は減少、左上は「直近1年」は減少したものの「その前の1年」は増加したことになります。
2期連続の力強い成長が見られるのは、右上に位置する2022年デビューの『&TEAM』。デビューから着実に人気を高めて推しファンを増やしています。
右下に位置する2020年~2022年にデビューした『BE:FIRST』『JO1』『INI』『ENHYPEN』は、いずれもデビュー時の勢いの反動で平均推しファン人数が「その前の1年」に一旦減少したものの、「直近1年」に再び推しファン人数が増加に転じ、安定感を増していることが推測されます。

前述した5グループの推しファン人数の推移を詳細に見てみます。『&TEAM』は、「その前の1年」から「直近1年」にかけて継続して増加し、直近では『INI』に迫っていることが分かります。また、2020年~2021年デビュー組をみると、『BE:FIRST』『JO1』が直近3カ月で増加傾向にある一方で、『ENHYPEN』は2カ月連続で減少していることが分かります。
最後に、これら5グループの今後の推しファン人数の動きを推しファン心理から探ります。以下は、各グループの推しファンが「今後もずっと応援するつもりだ」と回答した割合の直近3カ月間の平均です。

すべてのグループで50%以上が継続応援の意思を示しました。最も割合が高かったのは68.4%の『BE:FIRST』で、今後のさらなる伸びが期待されます。一方、2期連続で上昇した『&TEAM』は59.1%と、『BE:FIRST』『INI』『JO1』に比べると低い水準となりました。今後、『&TEAM』が推しファン人数の増加ペースを維持して2020年~2021年のデビューグループを上回るか注目されます。
毎月約3万人、全国に住む15~69歳の男女に対して、メディアを横断し「いま、推しているエンタメブランド」に関する大規模調査を実施。エンタメブランドの価値をメディア横断でとらえ、<推しファン人数><支出金額><接触日数>を集計しているほか、これらの値から総合指標<推しエンタメブランド価値(単位:GEM)>を算出しています
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