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ディズニー:長期間のウィンドウをアピールし、フランチャイズからオリジナル作品を含む2025年公開映画を紹介<CinemaCon2025 スタジオプレゼンテーション>
公開日: 2025/04/16

特集:CinemaCon 2025 スタジオプレゼンテーション第8回

2025年3月31日から4日間にわたり、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集では各スタジオによる今後のラインナッププレゼンテーションをレポート。第8回は4月3日(木)14:30から開催されたウォルト・ディズニー・スタジオのプレゼンテーションです。
※本記事で触れられている内容は2025年4月時点の情報です。

冒頭、 アラン・バーグマン氏(Co-Chairman:Disney Entertainment)が登壇。「ディズニーは多様な7つのブランドから、2025年公開の作品を中心に発表します」との言葉とともにプレゼンテーションが始まりました。

7つのブランドから2025年公開作品を紹介
2025年公開作品の紹介

続いて、ワーナー・ブラザースのInternational Distribution部門のトップから、新たにウォルト・ディズニー・スタジオのHead of Theatrical Distributionに就任したアンドリュー・クリップ氏が登壇。映画は「映画館で観るのが一番」であると位置づけ、イベント映画を映画館に提供するために、同社はどの競合スタジオよりも長い期間映画館で上映しており、また、年間を通じて作品を提供しているとアピール。さらには、興行会社が持つ、映画鑑賞者のデータを活用して、プロモーションに協力したいとの考えを明かしました。

左からアラン・バーグマン氏(Co-Chairman:Disney Entertainment)
アンドリュー・クリップス氏(Head of Theatrical Distribution:Disney Entertainment Studios)
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

2024年には素晴らしい結果を残しており、コロナ禍以降で興行収入が50億ドルを超えた唯一のスタジオであると実績をアピールしました。

 

ラインナップ発表
『ファンタスティック4』『ズートピア』など各スタジオの25年の新作を発表。締めは12月公開『アバター』の特別映像を上映

※作品は、プレゼンテーション順ではなく、公開日順に記載

2025年

The Amateur(邦題『アマチュア』)”(北米公開:2025年4月11日/20世紀スタジオ)

妻を殺されたCIA分析官が、復讐のために自らスパイになるストーリー。前日にニューヨークでプレミアが行われ、非常にポジティブな反応を得られていると共有されました。フッテージを上映。

Thunderbolts*(邦題『サンダーボルツ*』)”(北米公開:2025年5月2日/マーベル)

キャストから、フローレンス・ピュー、デヴィッド・ハーバー、ワイアット・ラッセル、ハナ・ジョン=カーメン、ジュリア・ルイス=ドレイファスが登壇。カジノで大損をしてしまい、何とかしないといけない、という設定で客席の間から登場し、会場を盛り上げました。フッテージを上映。

“Thunderbolts*”キャスト陣。左からデヴィッド・ハーバー、ハナ・ジョン=カーメン、ワイアット・ラッセル
フローレンス・ピュー、ジュリア・ルイス=ドレイファス
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Lilo & Stitch(リロ&スティッチ)”(北米公開:2025年5月23日/ディズニー・ライブアクション)

スーパーボウルにスティッチが乱入している動画と、本作のフッテージを上映しました。

Elio(邦題『星つなぎのエリオ』)” (北米公開:2025年6月20日/ピクサー)

主人公の母役の声優を務めるゾーイ・サルダナが登壇し、エイリアンに宇宙に連れていかれることを夢見る男の子が主人公である本作を紹介しました。フッテージを3D上映。

The Fantastic Four: First Steps(邦題『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』)”(北米公開:2025年7月25日/マーベル)

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長からのビデオメッセージを上映し、予告編を上映。

Freakier Friday”(北米公開:2025年8月8日公開/ディズニー・ライブアクション)

キャストのジェイミー・リー・カーティスとリンジー・ローハンが登壇。今作は、入れ替わりが2回発生するとし、母娘で入れ替わったうえで、さらにティーネイジャーと入れ替わると紹介しました。CinemaCon初出しフッテージを上映。

左から、リンジー・ローハン、ジェイミー・リー・カーティス
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

The Roses”(北米公開:2025年8月29日/サーチライト)

ウォーレン・アドラーの小説をもとにしたブラックコメディ映画『ローズ家の戦争』(1989年)をリメイク。ジェイ・ローチ監督で、オリビア・コールマン、ベネディクト・カンバーバッチが主演し、一見成功しているように見える夫婦が、ある日を境にうまくいかなくなり、争いに発展するという内容であると紹介。予告編が上映されました。

“The Roses”のフッテージを上映
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Ella McCay”(北米公開: 2025年9月19日/20世紀スタジオ)

愛と追憶の日々』でアカデミー賞を受賞したジェームズ・L・ブルックス監督の新作として、監督本人、主人公を演じるエマ・マッキーと、おば役ジェイミー・リー・カーティスが登壇し紹介。理想を掲げる若き女性政治家が、仕事と家族の問題で奮闘する物語。Cinema Verite賞を受賞したブルックス監督は、Cinema United(旧称:National Association of Theatre Owners[NATO])のマイケル・オレアリー会長による、「45日劇場独占ウィンドウの提唱」を支持するとともに、「映画館は、観客が作品と出会う奇跡の場所であり、天国のような場所です」と語り、映画館関係者と観客に感謝の意を述べました。フッテージを上映。

Tron: Ares”(北米公開:2025年10月10日/ディズニー・ライブアクション)

劇場内のライティングがトロン風に彩られ、アレス役のジャレッド・レトと、前作と同じケヴィン・フリン役を演じるジェフ・ブリッジスが登壇。

『トロン』風に彩られた会場
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

ジャレッド・レトは、「幼い頃からトロンが好きで、アクション、冒険に夢中になっていました。映像だけでなく音楽も素晴らしく、オリジナル作品が好きならば、満足するでしょう」とコメントしました。CinemaCon初出しフッテージを上映。

左から、ジャレッド・レト、ジェフ・ブリッジス
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Predator: Badlands”(北米公開:2025年11月7日/20世紀スタジオ)

エル・ファニングが登壇し、「プレデターがいいやつだったら?」という設定の本作を紹介。「(前作の)『プレデター:ザ・プレイ』がとても好きだったし、これまで撮影した他の作品と異なるので大変だったけど、演じられてよかったです。私は、プレデターに追いかけられるのではなく、彼らに協力するキャラクターを演じます」と作品にかけた思いを述べました。予告編を上映。

左から、エル・ファニング、アンドリュー・クリップス氏
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Deliver Me from Nowhere”(北米公開:2025年/20世紀スタジオ)

ブルース・スプリングスティーンのアルバム「ネブラスカ」制作時を描いた作品。監督は、スコット・クーパー氏。スプリングスティーン役のジェレミー・アレン・ホワイト、マネージャーのジョン・ランドー役のジェレミー・ストロングが登壇し、作品を紹介。アレン・ホワイトは「役作りが大変でした」と述べ、ジェレミー・ストロングは「二人は音楽史のなかでも、レアな関係だったと思います。ジョン・ランドーはブルース・スプリングスティーンの精神面も支えたと考えています」とコメントしました。プレビュー動画を上映。

左から、ジェレミー・ストロング、ジェレミー・アレン・ホワイト
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Zootopia 2” (北米公開:2025年11月26日/ディズニーアニメーション)

“ZinemaCon”と冠して、「AMC」を「AMZ」に変えるように、すべての作品や映画館の名前をZootopia風にアレンジした特別動画を上映。また、新しい蛇のキャラクター、ゲイリー役のキー・ホイ・クァンが登壇しました。ジュディとニックが受けるパートナーセラピーの担当医、ドクター・ファズビー役をキンタ・ブランソンが演じると共有。長めのフッテージが上映されました。

蛇のゲイリー役の声優を務めたキー・ホイ・クァン
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

Avatar: Fire and Ash(邦題『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』)” (北米公開:2025年12月19日/20世紀映画)

アラン・バーグマン氏が再度登壇し、ジェームズ・キャメロン監督からのビデオメッセージを上映しました。キャメロン監督は「本作は是非3Dで観てほしいです。映画興行は、コロナ禍と配信のワンツーパンチに苦しんでいると思いますが、本作は助けになると思います」と語りました。 “Avatar: Fire and Ash”を紹介するアラン・バーグマン氏
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025

ゾーイ・サルダナも登壇し「本作は、見たことのないもの、観客が求めているものが描かれています。“Ash People”、“Wind Traders”など新たな種族も登場します」と作品を紹介しました。フッテージを上映。

ゾーイ・サルダナ
Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
2026年

Avengers: Doomsday”(北米公開:2026年5月1日)

ケヴィン・ファイギ氏(President:Marvel Studios)からのビデオメッセージを上映。まさに撮影中であることが明かされ、先日発表したキャストについて触れました。本作では、『アベンジャーズ』『サンダーボルツ*』『ファンタスティック4』『ブラック・パンサー』『X-MEN』のキャラクターたちが、ロバート・ダウニー・Jr.演じるドクター・ドゥームと戦うという内容になる予定と紹介。そして、「わたしは映画を観るなら、グッズや映画館限定のポップコーンバケットを持って、映画館で観るのが最高だと信じています」と語りました。IMAXで撮影されたCinemaCon限定フッテージを上映。

登壇者全員の集合写真
Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images for CinemaCon 2025
 
特集:CinemaCon 2025 スタジオプレゼンテーション