パラマウント:劇場体験の原点を再確認ー “変化の時代”に向けた覚悟と感謝のメッセージ<CinemaCon2025 スタジオプレゼンテーション>
公開日: 2025/04/16
2025年3月31日から4日間にわたり、米ラスベガスにて世界最大級の映画興行ビジネスのコンヴェンション「CinemaCon(シネマコン)」が開催されました。本特集では各スタジオによる今後のラインナッププレゼンテーションをレポート。第7回は4月3日(木)10:00から開催されたパラマウント・ピクチャーズのプレゼンテーションです。
※本記事で触れられている内容は2025年4月時点の情報です。
パラマウント・ピクチャーズは、劇場との強いパートナーシップと、日々変化する映画業界への対応策を鮮やかに提示しました。配給部門プレジデントのクリス・アロンソン氏(President、Domestic Distribution:Paramount Pictures)は、バイクパフォーマンスで登場し会場を沸かせた後、「2025年は業界の転換点」と位置づけ、劇場での体験価値を高めることが重要だと語りました。加えて、広告の廃止や予告編削減など、観客重視の取り組みを進めていることを紹介し、「プレミアムな価格ではなく、プレミアムな体験を」と訴えました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
続いて、ブライアン・ロビンス氏(President & CEO:Paramount Pictures)が登壇し、100年以上続くスタジオの歴史を振り返り、「映画館こそが私たちのDNA」と語りました。また、『ボブ・マーリー ONE LOVE』『クワイエット・プレイス:DAY 1』など、2024年の成功作も劇場体験が起点だとし、今後もあらゆる世代に響く映画作りを推進していくと表明。ラムジー・アン・ナイトー氏(President、Paramount&Nickelodeon Animation)も登壇し、ファミリー映画はパラマウントの重要な映画と位置づけであると示しました。
プレゼンテーションのクライマックスでは、トム・クルーズが登壇し、長年のパートナーであるクリストファー・マッカリー監督を紹介。コロナ禍中でも『ミッション:インポッシブル』シリーズを導いた監督の手腕を称え、「導くことは奉仕すること」という信念を持つ、真のリーダーであると語りました。マッカリー監督は「観客がいてこそ映画が存在する」と述べ、映画館関係者への感謝を表明し締めくくりました。
パラマウントは、変革の時代においても「“映画の魔法“を劇場から届け続ける」という覚悟を鮮明に表明しました。
ラインナップ発表
この夏公開の『ミッション:インポッシブル』シリーズ最新作を中心にオリジナル・ヒットIP続編ラインナップを発表
※作品は、プレゼンテーション順ではなく、公開日順に記載
2025年5月に公開する『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』のほか、“The Running Man”や“Children of Blood and Bone”など、小説原作の作品が多く紹介されました。
“Mission: Impossible - The Final Reckoning(邦題『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』)”(北米公開:2025年5月23日公開)
トム・クルーズが登壇し、シャーリ・レッドストーン会長をはじめ、パラマウントに関わった歴代の経営者、幹部、そしてSkydance Media、シリーズ過去作の脚本家、監督、クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)に感謝を述べました。また、トム・クルーズが18歳のときに出会った、当時20世紀フォックスのプロダクションのトップを務めていたシェリー・ランシング元CEOが自分を導いてくれたことにも言及。そして、映画館、観客に改めて感謝を示しました。予告編上映。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“Smurfs”(北米公開:2025年7月18日/パラマウント・アニメーション)
今年の夏、今まで見たことのないスマーフの映画が公開されると紹介。リアーナがプロデュース、楽曲提供を行い、声優を演じると共有され、リアーナからのビデオメッセージを上映。プレビュー動画も上映し、アクション満載、コメディ、音楽も盛りだくさんな作品であることがアピールされました。
“The Naked Gun” (北米公開:2025年9月12日)
クリス・アロンソン氏が再度登壇し、リーアム・ニーソン主演の『裸の銃を持つ男』シリーズの新作が上映されることを共有。CinemaCon初出しフッテージを上映しました。
“Roofman”(北米公開:2025年10月3日/ミラマックスによる配給)
主演のチャニング・テイタムが登壇。60店舗以上のマクドナルドに屋根から侵入して強盗した罪で逮捕されるも、その後脱獄してトイザらスに潜伏していた実在の人物ジェフリー・マンチェスターを描いた物語であると本作を紹介。さらに、強盗時に暴力を滅多に振るわない非常に丁寧な犯行で名が知れたことにも言及しました。ポストプロダクションの最中であることを共有し、フッテージを上映しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“Regretting You” (北米公開:2025年10月24日)
原作はベストセラー作家コリーン・フーバーの小説で、若くして母親になった女性とその娘の複雑な関係を描いた作品であると紹介されました。先週に製作が始まったばかりと明かされ、現場にいるキャストの動画が上映されました。
“The Running Man”(北米公開:2025年11月7日)
エドガー・ライト監督が登壇し、スティーブン・キング原作の同名小説を実写化した本作を紹介。小説の設定は2025年で、観ていると主人公を応援したくなるような映画であるとコメントしました。主人公はゲーム番組の「ハンター」から逃げているうちに、アクションスターになるという設定のため、実際のアクションスターをキャスティングしたことを明らかにしました。キャストからは、CinemaCon賞を受賞したグレン・パウエルが登壇し、撮影が1週間前に終わったばかりとし、「火の中に入ることもありました。これほど頑張った映画はありません」と撮影時の苦労話を語りました。ほか、コールマン・ドミンゴ、ジョシュ・ブローリンも登壇。フッテージを上映しました。

Photo by Jerod Harris/Getty Images for CinemaCon 2025
“The SpongeBob Movie: Search for SquarePants”(北米公開: 2025年12月19日)
スポンジ・ボブの声優を務めるトム・ケニー、悪役の声優を務めるマーク・ハミルが登壇。予告編が上映されました。

Photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images for CinemaCon 2025
“Scream 7”(北米公開:2026年2月27日)
新旧キャストが共演し、新たな展開を見せると紹介。
ケンドリック・ラマーの実写コメディ映画(タイトル未定)(北米公開:2026年3月予定)
『サウスパーク』のマット・ストーンとトレイ・パーカーが監督を務め、「非常にうるさい」映画になると紹介。
“The Legend of Aang: The Last Airbender”(北米公開:2026年5月29日/Paramount Animation)
“PAW Patrol: The Dino Movie”(北米公開:2026年7月31日/Paramount Animation)
“Children of Blood and Bone”(北米公開:2027年1月15日/Temple Hill Entertainment製作)
監督はジーナ・プリンス=バイスウッド、プロデューサーはテンプル・ヒル、撮影は南アフリカで行われると紹介。原作はベストセラー小説で、魔法の力を持つ女性の物語を、ヴィオラ・デイビス、シンシア・エリヴォ、イドリス・エルバら、オールスターキャストが彩ることが明かされました。
“Sonic the Hedgehog 4(タイトル未定)”(北米公開:2027年3月19日)
シリーズ3作の累計世界興収がおよそ15億ドルに達したことを受け、続編製作が決定。
“Heart of the Beast”
ブラッド・ピット主演、デヴィッド・エアー監督で、アラスカの荒野で飛行機事故に遭った元兵士と戦闘犬の物語を描いた作品。撮影地はニュージーランド。
“Teenage Mutant Ninja Turtles: Mutant Mayhem 2”(Paramount Animation)
- 第1回:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
- 第2回:NEON
- 第3回:ライオンズゲート
- 第4回:ワーナー・ブラザース
- 第5回:Amazon MGM
- 第6回:ユニバーサル・ピクチャーズ
- 第7回:パラマウント・ピクチャーズ
- 第8回:ウォルト・ディズニー・スタジオ
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