『キングダム 大将軍の帰還』が本年公開映画中 満足度1位、シリーズヒットの背景を劇場鑑賞者調査で探る
公開日: 2024/09/13
どのような鑑賞者が、誰と、どのような理由で映画を観たのか。GEM Partners株式会社では、劇場公開映画の鑑賞者/非鑑賞者の傾向を調査した「作品別ポストサーベイ」を提供しています。本調査は、当該作品の鑑賞者分析をはじめ、類似過去作と比較することで公開待機作の宣伝プラニングにおいても活用可能です。 今回、作品を横断して分析できる「作品別ポストサーベイダッシュボード※1」を用いて、2024年夏に公開された映画『キングダム』シリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』ヒットの裏側をお伝えします。
※1:「作品別ポストサーベイダッシュボード」は2024年10月18日に「CATS シネマ鑑賞者スコープ」としてローンチしました。
- 【劇場公開映画 本年公開作品中 満足度ランキングTOP10】
1位は『キングダム 大将軍の帰還』、『名探偵コナン』『ハイキュー!!』超え - 『キングダム』はシリーズを追うごとに続編への期待感が上昇
- 『キングダム 大将軍の帰還』を観た理由とは?
【劇場公開映画 本年公開作品中 満足度ランキングTOP10】
1位は『キングダム 大将軍の帰還』、『名探偵コナン』『ハイキュー!!』超え
※クリックして拡大
2024年1月から同年7月までに劇場公開された映画の満足度ランキング※2において、『キングダム 大将軍の帰還』が満足度77.1%を集め、1位にランクイン。同期間の平均満足度は54.4%となり、20pt以上の差をつけての首位獲得となりました。続く2位には『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』、3位には『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が入っています。
そのほか、満足度ランキングTOP10のうち8作品がシリーズ、もしくはフランチャイズ作品となるなか、『ディア・ファミリー』『青春18×2 君へと続く道』がシリーズものではない邦画実写作品としてTOP10入りを果たしています。
※2:満足度:作品鑑賞者が「満足/少し満足/どちらでもない/少し不満/不満」の中から「満足」と回答した割合。集計対象は初週金土日興収1億円以上の作品。なお、同一作品を複数調査回で聴取している場合は、最新調査回の結果にて集計した。
『キングダム』はシリーズを追うごとに続編への期待感が上昇
※クリックして拡大大人気マンガ『キングダム』の実写映画として19年にシリーズがスタート。1作目の『キングダム』は、初週金土日興行収入6.9億円の大ヒットで公開を迎え、口コミが話題を生み最終興行収入57.3億円を叩き出しました。同作公開9週後に実施した調査では、約7割の人が「満足」と回答し、続編鑑賞意向で約半数の人が「絶対映画館で観る」と回答しました。
続編鑑賞意向で「絶対映画館で観る」と回答した割合をシリーズ横断で見てみると、新作公開のたびに高まっていることが分かります。2作目『キングダム2 遥かなる大地へ』(22年公開:初週金土日興行収入10.2億円)は51%、3作目『キングダム 運命の炎』(23年:初週金土日興行収入10.5億円)は56%、最新作『キングダム 大将軍の帰還』(24年:公開初週金土日興行収入16.3億円)では65%にまで達しています。特に、『キングダム 大将軍の帰還』は、シリーズ最高の満足度・続編鑑賞意向・初週金土日興行収入を記録しており、シリーズの中でもファンの心を最も掴んだ作品であることが伺えます。
『キングダム 大将軍の帰還』を観た理由とは?
※クリックして拡大「作品別ポストサーベイ」では「観た理由※3」を15項目にわたって聴取しています。『キングダム 大将軍の帰還』を観た理由で最も高かったのは「原作・前作・史実が好き/有名」で、41%を占めました。シリーズを通して同設問をみると、1作目の『キングダム』では26%でしたが、2作目、3作目と上昇し、最新作までに1.5倍以上もポイントを伸ばしています。同様に観た理由2位の「好きなジャンルの作品だった」も数値を上げています。原作や史実好きへの期待を裏切らず次作につなげていくことでシリーズを育てているほか、ジャンルとしても確立していっていることが考えられます。
※3:観た理由:設定・テーマが良さそうだった/宣伝やTV番組での紹介に興味を持った/好きなジャンルの作品だった/映像・音楽が楽しめそうだった/エンターテイメント性がありそうだった/感動しそうだった/話題なっていた/話題になりそうだった/口コミ・評判が良かった/監督が好き/芸術性・文化度を感じた/人と一緒に楽しめそうだった/俳優・女優/声優が良かった/人に誘われた/気軽に楽しめそうだった/原作・前作・史実が好き/原作・前作・史実が有名/その他
※クリックして拡大上記は、24年7月までに公開された満足度ランキング対象作品に関して、満足度を横軸、観た理由で「原作・前作・史実が好き/有名」と回答した人の割合を縦軸にマッピングしたものです(バブルサイズは興収規模)。『キングダム 大将軍の帰還』は最も右上に位置し、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』などよりも、「原作・前作・史実好き/有名」層を満足させていることが分かります。
時には原作ファンから受け入れられないこともある実写化ですが、映画『キングダム』シリーズは原作ファンも取り込み、鑑賞者の次作への期待を上げ続けています。ファンの期待に応え続けることが、コロナ後(2022年1月~)の邦画実写で初週金土日興行収入の最高記録を達成した『キングダム 大将軍の帰還』の強さだと思われます。ファンを魅了し続ける本シリーズ。原作は連載中なだけに、公式からの続編発表の期待が高まります。
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このように「作品別ポストサーベイレポート」では劇場公開作品の鑑賞者属性、満足度・続編意向、鑑賞行動・動機とともに、「作品を認知しているが観てない人」の属性やその理由も分かります。 公開作品の鑑賞者調査としてのご活用以外に、今後公開される作品の宣伝プラニングにおいて過去比較作品の検証ツールとしても有効です。
本記事で紹介した「作品別ポストサーベイダッシュボード」は2024年10月初旬のローンチを予定しています。従来のPDFレポートの内容に加え、セグメントの深堀り・他作品との比較が可能になりました。ご興味がございましたら、担当よりご説明させていただきますので、お気軽にご連絡ください。
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